隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

終幕 ページ8

「こんのッ大馬鹿モンが！」




『すみません...』




上司の怒号がキーンと頭に響く


さっき頭打ったばかりなのにこの仕打ちは流石にないんじゃない？



先ほどから私の頭をいじめにかかってる上司こと後藤さんに
負傷した四人を蝶屋敷に送り届けてからぶっ続けで説教をくらっている


まぁね、別に待機命令を無視した私が悪いんですけどもっ！




頭打ったばかりの部下にこれはないのでは？





「おい聞いてんのか？」




『はいはい聞いてますよ』




「絶対聞いてねぇだろ！ったくお前ってやつは
怪我して帰ってくるくらいなら最初から行くなっつーの」




あの後負傷した炭治郎達は蝶屋敷に運ばれた
無論炎柱様もだ


ただ...





『炎柱様...大丈夫でしょうか』




「さぁな、俺たちは医者じゃねぇからな」




あの怪我ではこれから鬼狩りを続けていけるかどうか...



それに万が一の事だってあり得る




不安がグルグルと頭の中を回る
一度考え出したらきりがない...

言いようのない不安に駆られていると



先程冷たくあしらった先輩が口を開き






「まぁ、胡蝶様が何とかしてくれるだろ」






ぶっきらぼうにそう言い放った








普段はこき使う癖にこういう時だけ気を遣ってくるのに


なんだか無性に腹が立った





不器用な癖に...







「ほら、そんなとこで落ち込んでねぇでさっさといくぞ」




『そうですねぇ、どっかの鬼畜上司にこき使われる前に動かないと』




「誰のことだかさっぱりわかんねぇな」




軽い冗談を交えつつも



心の中で不器用なりに励まそうとしてくれた
上司に一応感謝しておく



“不器用”だけどね






『先輩！！』




「ん？なんだまだなんか言いたいことあんのか？」









『いーえ別になんでもないですよーだ』




「はぁ？なんだよ気持ち悪りぃな」





そういうところ




嫌いじゃないですよ？





なーんてね

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