隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

思いを燃やせ ページ31

『誰も信じていないんでしょう？
敵も味方も...自分さえも』




「......」




童磨は何も言わない

此奴は表情や声色こそはコロコロ変わるものの
こころの奥底はいつも冷め切っている


常に周りに笑顔を振りまき
さも人間のように取り繕った“機械”だ




自分が空っぽなのを悟られないように...
誤魔化しているだけ




『アンタは上手くやっているつもりなんだろうけど
バレバレだから』




たとえアンタがどれだけ取り繕うと
その本質は変わらない




『そうやって過ごしているうちに
アンタは数々の逆鱗に触れてきた...』




超えてはならない一線を踏み越え
たくさんの命を奪ってきたんでしょう？




アナタはいつも睨まれているよ





愛するものを奪われた憎しみを刃に変えたもの達は




アナタの首を今この瞬間も狙っている






『予言してあげるよ...アンタ達【鬼】は滅びる』









私たちの“代”で








必ず＿＿＿






お前らを根絶やしにする




『覚悟してなよ...エセ教祖さん？』




「へぇ...」



七色の瞳が最大限に見開かれる
天上の微笑みが一瞬にして狂気の笑みへと変化した




頭から血を被ったような
独特な髪が頬のあたりをふわりと撫でる






「良い...良いねぇ！面白い！」





『......』







童磨は腹を抱えながら大笑いする





静寂が支配する森に
童磨の笑い声が大きく響いた...




戸惑う私を余所に
童磨は爛々と目を輝かせる




まるで、新しい玩具を見つけた幼子のように







無邪気な笑顔で









「うん、うん...決めたよ俺









君は俺が必ず殺すって＿＿＿」








“他の鬼達(やつら)なんかに絶対渡さない
君を殺すのは俺だけだ”









『やれるものなら...やってみろ』









お前なんかに...







殺されてたまるか＿＿＿

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