隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

殺れるもんならやってみろ ページ25

『チビだからって舐めないでよね！』




キッと睨みつけながら大声でそう叫び


私は強く地面を蹴った…


血鬼術によって凍らされた木を避けるように
木から木へ飛び移るのを何度も何度も繰り返した


後藤さんが走っていった方とは真反対の方角に…



少しでも時間を稼ぐために



後藤さんが逃げ切れるように…





深手をおった私が稼げる時間はもうほんの僅か


このまま生き抜くことができるとは




もう、正直考えてない…

そりゃあ生きて帰れれば万々歳


死んだらそこまで！



でも、ぶっちゃけ悔いしかない


もっと美味しい甘味食べれば良かったなぁとか

炭治郎たちともっと話したかったなぁとか
考え出せばキリがない



父さんや母さん達のことも…




本当はまだやり残したことがいっぱいある






でも




でも今はッ…！！





それ以上に今目の前にいる性根腐りきった




この自称教祖様(笑)に！！




絶対大目玉食らわせてやるッて思いしかない…





チビで弱虫だからって散々弄びやがってッ…


なーにが女の子だからだ！
女しか最初から狙ってない癖にぃいいいい！




「あぁ、可哀想に生まれた頃からそんなに脆くて
弱かったんだね…でももう大丈夫！！俺と一緒に極楽へ行こう！」






((ブチッ




遂に堪忍袋の尾が切れた




心の奥底から
メラメラと激しい怒りが湧き上がる





かろうじて抑え込んでいた
感情の波が今のクソ野郎の発言で全て流れた





『人を見下すのも大概にしろ！！
お前なんて“激おこ”の柱の方々に比べればこれっぽっちも怖くなんてないから！』




兎に角言いたいことを言い切ったお陰か
身体の震えと緊張感がフッと軽くなった気がする



もう一度短刀を握り直し



グッと腰を落とす





『隠だからって舐めんなよ！！』





隠だって一般隊士のように育手のもとで鍛錬を積み
命がけで最終選別を乗り越えたんだ


ここで私が折れたら
後藤さんや他の隠のみんなに面目が立たない


仲間のみんなを否定しないためにも
私がここで証明してやるッ


隠だって鬼殺隊の一員なんだ...

赤い罠→←それが限りなく零に近い可能性だとしても

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