隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

凶報 ページ1

「伝令！伝令！カァアーッ！」




「炭治郎・善逸・伊之助・杏寿郎
無限列車ニテ十二鬼月ト遭遇！」




『十二鬼月！？...短期間でまたッ』




「現在炎柱煉獄杏寿郎ガ上弦の参ト応戦中！」




「炭治郎・善逸・伊之助！いずれも重傷！
直ちに救援サレタシ！」




鎹鴉からの連絡で
隠は片っ端から現場へ集められている


同じく階級の高い一般隊士も
同時に集められ騒ぎに寄ってきた鬼を狩って狩って狩りまくる


気が気でなかった
今度こそ炭治郎君達が居なくなっちゃったら...


決して信用していないわけではない
しかし上弦とはそれほど恐れるべき相手なのだ


尋常じゃない程の被害が毎度毎度起こる





「おいA！この先はまだ鬼が潜んでる可能性がある！
一刻も早く行きたい気持ちも分かるが...」




『私...先に行きます
後藤さんは鬼の討伐が完了するまでここで待っていてください』




背を向けて走ろうとすると
慌てた様子で後藤さんに腕を掴まれた


幾ら隠とは言え後藤さんもれっきとした男性だ
女の私ではそう簡単には振りほどけない




「...死ぬぞ」



その言葉の重みを私たちは誰よりも知っていた


隠として働いていれば
誰しもが体験する事だ...


任務先で出会った顔見知りの隊士が
次の日冷たくなって発見される...

そんな事も度々あった



でも...




彼らにはそんな風になって欲しくない





“絶対に”






折角仲良くなって
短い間だったけど同じ時間を過ごして


今の“自分”となるきっかけを与えてくれた



大切な人だから...





『だからッ...お願い...』







お願いだから







置いてかないで...

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