第4話 ページ4
いよいよ出発の日。
現世へ通じる門の前まで鬼灯がついてきてくれた。
「Aさん、これ、人間に擬態できる薬です」
「薬？」
鬼灯に手渡されたのは気持ち悪い見た目の小瓶。中には液体が入っている。
「薬の効果があるのは一口で一時間です。高額な上に眠気を伴うので、できるだけ節約するように」
擬態薬以外にも傷薬などその他諸々を渡される。懐に入るかな……結構かさばる。
「よし、じゃあ行くね」
「お気をつけて。何かあったらすぐに帰ってきてください」
「分かってるって」
くれぐれも人間に正体がばれないようにと念を押されて、私は現世へ向かった。
＊
現世は夕暮れ時だった。つまりそろそろ鬼が出始める。
暗くなるなら薬は飲まなくても大丈夫かな。
「というか……鬼はどこに出るんだろう」
薄暗い道を歩きながら呟くと、近くの茂みがガサガサと揺れた。
「な、何？ 鬼？ 早速鬼ですか？」
思わず身構えるが、ひょこっと顔を出したのは狐だった。
「……なんだ、狐か。あー……びっくりした……」
「驚かせてしまい申し訳ありません。A様ですね」
「……え」
……狐が喋った。
あれ？ 現世の動物って喋るっけ。妖怪？ 野干とか？
それになんで私の名前知ってるの？ え、怖いんだけど。
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長篠(プロフ) - りんりんさん» 鬼灯の冷徹も鬼滅の刃も面白いですよね！更新頑張ります！ (2020年3月8日 20時) (
レス) id: dff0e36449 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 鬼灯の冷徹も大好きだし鬼滅の刃も好きだからとてもありがたい(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)更新頑張ってください♪ (2020年3月8日 20時) (レス) id: b6aa212c61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長篠 | 作成日時：2020年3月7日 21時
