【2】マジか…歌い手シェアハウスって…現実にもあんの！？【歌い手】 (ページ16)

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「よんじゅうなな」ページ16

土曜、朝。少し冷たい風が吹く中、私は駅のホームにいた。

妹は東京でやりたいことがある、とこっちに残るそうで、私一人で実家に。いやまぁ私も帰るって訳じゃないんだけどさ？

少し、話してくるだけ。

「いってらっしゃい！」
「日曜もう帰ってくるんだから泣くなよれをる」
「Aたんが休日にいない…暇…死ぬ…」
「あっちで暮らす事になったとかやめて下さいね？別にさみしい訳じゃないですけど」

すこし行くだけなのに…大袈裟な。あとクプラさんツンデレ化してる。

「うん！すぐ帰ってくるから！」

電車が来た。
私は何故か文音に渡されたじゃがりこを持ち、電車に乗る。またなんか入ってるかと思ったが市販品っぽい、心配なさそうだ。

座席に座ると…窓の向こうでみんなが手を振っている。えぇ…２日行くだけなのになぁ…

電車がゆっくりと動き出して、すぐに加速する。みんなは見えなくなった。

……着くまで寝てよう

***

「中に、まだ子供がいるの！助けて！」

「分かりますけど、この火じゃもう命は」

「うるさいッ！」

そういって女性は消防の人を振りきり、地獄の中へかけていった。

熱い、熱い。熱いし、火傷もしてるのに何故か僕は震えている。

どうして
***

『次は～…』

「ﾊｯ」

よだれを垂らして寝ていた！やばい。ハンカチで口を拭き、ぼんやりと先程の夢を思い出す。

赤い炎と煙と泣き叫んだ女性。あれは火事だろうか？女性は何で叫んでたっけ……思い出せない。てかここ何処だYO。

ああ、もうここらへん？髪を軽く整えじゃがりこを開ける。

「…ん？」

きいろっぽいお菓子、これはじゃがりこだ。じゃあﾍﾟﾗﾘと薄いこの紙は…？まさか異物ん？

『自分を強く持って、戻らないで』

丸い、可愛い、文音の文字。いやぁ、やっぱり文音には敵わねぇな

『たとえ、そうでも変わらないよ』

なにが？(´・ω・`)

そんなこんなしてると、見覚えのある小さい駅が見えた。