君と僕との小さな星で ページ27
坂田くんから連絡がきたのは、その日の夜のうちだった。
今度の休み、一緒に行きたいところがある。
そうメッセージにはかかれていて、提案された場所はプラネタリウムだった。
最近、有楽町にできたという新しいところだ。
併設されているカフェのメニューも銀河をイメージしたかわいらしいものばかりで、一度は行ってみたいと思っていた場所だった。
坂田くんは、私の好みを把握しているらしい。
付き合いの長さを考えれば、当然のことなのかもしれないけれど、そういった所を覚えていてくれていたと思うと、なんだか嬉しかった。
「うらたさんと、3人でってことなのかな？」
ふと、昼間に3人でご飯いこうと話していたのを思い出す。
そう思って聞こうとしたときに、新しいメッセージが入った。
「2人で行きたいんやけど、だめ？」
私は思わずスマホをぎゅっと握り締めた。
勘違いしそうになる気持ちを抑えて、彼はそういう人だったと思い直す。
坂田くんは、優しい人だ。
きっと、久しぶりに会った友達が案外近所で、しかも自分の友達の住むアパートの向かいに住んでる訳だから、仲良くしないわけにもいかない。
理由はどうにせよ、また友達として、仲良くしてくれる気持ちが向こうにはあるのだ。
できるなら私だって、この曖昧な関係のままでいたくはなかった。
できることなら、友だちとして、また仲良くしたい。
だから、「いいよ」と返信をして、息をついた。
すぐにスマホの通知音がなる。
坂田くんだろうか、と思ってアプリを開くと、メッセージの主は予想に反した人物だった。
「今日は楽しかった。また行こ」
うらたさんだ。
たぬきのスタンプも一緒に送られてきていて可愛らしい。
「私も楽しかったです」と返信して、テーブルの上にある紙袋を手に取った。
もともと、何か目当てのものがあったわけではなかったけれど、うらたさんが夕飯のお礼だといって買ってくれたのは可愛らしいマカロンだった。
いつの間に買ってきたのか、別れ際に渡されて、うらたさんは逃げるようにして自分のアパートに帰ってしまった。
こんな可愛らしいパッケージのマカロンのお店でひとりで彼は選んでくれたのかと想像すると、ちょっと面白くて笑いがこみ上げてくる。
なんだかんだいって、彼もまた、優しい人なのだ。
うらたさんがくれたマカロンは、赤、黄色、紫、緑の４色だった。
そのうちの緑を私は手に取った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 253人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます！またコメントをいただけて嬉しいです！続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします！ (2019年12月24日 11時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは！グッドイブニング･トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します！浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね！元々惚れてますけど余計に惚れますね！応援してます！更新頑張ってください！ (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます！どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月13日 23時
