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「Aちゃん、うらさんと同じ大学なん？」
うらたさんが上がっていった階段を見ながら坂田君がいった。
「うん。学部は違うけど」
「そっか。仲、いいんやね」
坂田くんは前に公園で話したときみたいに、ゆっくりと、ぽつりぽつりと言葉を選ぶようにして話す。
その表情は、明るくはなくて、少し迷っているようにも見えた。
「普通、かな。バイトも同じだし、家も近いから」
「そうなんかな」
うらたさんは少なくともそうは思ってないと思うけど、と言われたような気がして
「え？」
と聞き返すと、坂田くんは「なんでもない」と首を振った。
「坂田くんは、うらたさんと友達なんだね」
「そ。昨日の夜から一緒にゲームしてたんよ」
そうなんだ、と相槌をうったところにうらたさんが階段を降りて戻ってきた。
「うらさん、今度、3人でご飯でも行こうよ」
「え、飯？」
坂田くんがそう言うと、戻ってきたばかりのうらたさんは、「別にいいけど」と返した。
坂田くんは、私に向き直った。
「また、連絡してもええ？」
「もちろん」
坂田くんはようやく笑った。
嬉しそうな、曇りのない笑顔だった。
「じゃ、俺帰るから。またね」
そう言って、坂田くんは私たちに背を向けて駅に向かっていってしまった。
「………坂田と、なに話してたの？」
遠ざかっていく坂田くんの背中を見つめながら、うらたさんは言った。
「……うらたさんと坂田くんって、仲良いんですねって話してました」
「ああ。あいつとは、趣味友達」
うらたさんは少し厳しい表情で坂田くんの背中を見つめたまま、なにか考え込んでいるようだった。
「……うらたさん？」
少し不安になって声をかけると、彼の肩がぴくりとはねた。
ハッとしたようにこちらに顔を向ける。
「いくか、買い物」
「はい」
うらたさんが歩きだす。
高校のときはずっと、坂田くんが隣だったんだなとふと頭をよぎった。
隣を歩くうらたさんをちらりと見やる。
大学に入ってからは、ずっとうらたさんが隣にいるような気がする。
もしかしたら、単純に一緒にいる時間が長いだけのような気もするが、私の中で坂田くんが過去の男の子になっていくような気がして、少し切なかった。
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りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます！またコメントをいただけて嬉しいです！続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします！ (2019年12月24日 11時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは！グッドイブニング･トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します！浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね！元々惚れてますけど余計に惚れますね！応援してます！更新頑張ってください！ (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます！どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月13日 23時
