グットイブニング・トウキョウ【あほの坂田】 (ページ11)

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「そういえば、Aさんって英語得意なん？」

乗り込んだバスの中で、私のワークを覗き込んだ坂田くんがそういった。

帰りのバスは、夕方の時間だからか、通勤のサラリーマンもいた。

この様子だと、次のバス停はオフィス街だからどっと仕事帰りの人達が乗ってきそうだと思いながら座席に座る。

バスの席順は、自然と坂田くんが窓際で、私が通路側が定位置となっていた。

「うーん、得意というより好きなんだよね。でも、理系科目より文系科目の方が確かに得意かも」

「まじ!？」

俺、文系科目苦手やからうらやましー!!と坂田くんは言う。

理系科目は苦手なんだけどね、と苦笑いするも、坂田くんはすごい、うらやましいと連呼する。

「ねね、明日ってなにか用事ある？」

「明日は、図書館でテスト勉強する予定だけど…」

そう答えると、坂田くんの顔がパッと明るくなる。

最近よく思うのだが、彼はすごい。

なにがすごいかと言うと、言葉にするのが難しいのだが、感情を出せるのがすごいと思う。

ひとの顔色を逐一伺ってしまう私とはまるで真逆だ。

その、表情をコロコロと変わる彼は、英語のワークに落としていた目線を上げて、こうの賜った

「明日、俺も図書館で一緒に勉強していい？」