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「Aは？」
「え？」
「Aは、どうすんの？」
渉さんとのことを言われているのだとすぐに分かった。お前もちゃんとしろと言外に言われて、とてもじゃないが彼の顔を見れなかった。なんと言おうか迷っていると、
「今日、伊藤といい感じやったけど」
とセンラが言った。
「伊藤くん？」
藪から棒の話題に、私は驚いた。てっきり渉さんとのことを言われていたのだと思っていたが、そうではなかったらしい。それでも、彼の顔を見る事はできず、つけっぱなしのテレビ画面を意味もなく眺める。
「そ。飲み会の時もずっと2人で話しとったし、一緒やったやろ」
「途中までね」
「てっきり、うらたんと別れたのかと思ったわ」
「………飲み物とってくる」
センラにそんなことを言われると思っていなかった。
センラがソファーの前に置いてあるローテーブルにビールを置く音がする。呆れて返す言葉もないのだろう。そのあとの反応も怖くて、私はキッチンへと逃げ込んだ。
センラはどうしてあんなことを聞いてきたんだろう。私と渉さんの関係を知った時は、たしかに反対していたけれど、そのときだけだ。それっきり、センラは口を挟まなくなっていた。
いままでこんなこと一度もなかった。隠していたものを無理やり引っ張りだされたような心地だ。
どれだけ私が泣いたって、嬉しいことがあったって。彼は慰めることも、一緒に喜ぶこともしなかった。ただ、そばに居てくれただけだった。
それなのに。どうして、いまさら。
「逃げんなや」
背後の気配に、息が詰まる。冷蔵庫にかけていた手に、センラの大きな手が重なる。すぐ後ろのセンラの気配に、体がこわばるのが自分でも分かった。
「………逃げてない。飲みもの取りに来ただけでしょ」
どうにか絞り出した声は掠れていて、動揺しているのは明らかだった。センラのもう片方の手が、そっと腹部にまわる。びくりと大きく身体が跳ねた私を、逃がすまいと言わんばかりに彼は腕に力を入れた。
「せ……センラ？」
「ん？」
返ってくる声は優しいのに、どこか怖い。いつもみたいに、「ほんま、Aはうらたんのこと好きやなあ」なんて言って笑ってくれたらいいのに。
いつもとは違うセンラに、胸がぎゅっとした。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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