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2月14日。
街が少し浮ついた雰囲気になっていて、それは社内も例外ではなかった。私も例外ではない。
この日は毎年、女性社員はファミリーパックのチョコ菓子を持ってくる。そうして、部署内の男性陣に配るのだ。
建設業という業種柄、社員の多くは男性なのでひとりひとりにきちんとしたものを用意していたら予算的に大変なことになる。
もちろん、本命という名の有名ブランドのチョコレートを持ってくる子もいるが、それを手にするのはひと握りの社員だけだ。最も、そういったプレゼントの多くを獲得するのは営業課の男性たちで、その部署のトップを誇るのは月崎さんらしい。
もちろん、例外もいる。その最たる例が、センラだった。
｢毎年恒例の景色になったわね｣
机の上に置かれた目にも鮮やかなチョコレートたちを面倒くさそうな顔で袋に入れていくセンラに、私は笑いながら声をかけた。
｢うっさいわ。Aもそれ、くれたってええんやで｣
彼が指さしたのは、私のデスクの隅に隠している高級感のある小さな紙袋だ。中身はチョコレートではなく、ハンドクリームとリップクリームのセットだ。多くの品物の中からそれを選んだ理由は、手が乾燥すると渉さんが言っていたのと、チョコだと奥さんに気づかれてしまうのではないかと恐れたからだった。
｢それだけ貰っておいて、私にもねだる気なの？さっきあげたじゃない｣
私が配布用に持ってきたのは、リンツのチョコレートだ。50個近く入っているお徳用のもので、コスパも悪くない。余ったものは私のお腹に入るから、多い分には問題ないのだ。
｢えぇ〜｣
子供のように駄々をこねるセンラに、余ったものを1つ投げてやる。
｢これはいらん｣
｢じゃあ返して｣
｢いやや｣
｢なんなのよ、もう｣
｢ええやんか〜。俺とお前の仲なんやし｣
｢ホワイトデーは期待していいわけ？｣
｢Aが行きたがってたイタリアンのディナー、おごりで｣
｢のった！｣
明日にでも渡すね、と言って営業に出ようとすると、センラに呼び止められた。
｢なに？｣
｢今日、うらたんと同行してくるわ｣
｢それで？｣
｢今日の夜は？｣
｢先約があるの｣
｢……ふぅん｣
それだけ言えばセンラに全てが伝わっただろう。いつもならニヤニヤして送り出してくれるのに、今日は違った。
｢明日は？｣
｢空いてるけど……｣
｢じゃ、明日。飯いこ｣
頷くと、センラはようやく小さく笑った。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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