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ルシファーとの戦いから、半月が経過していた。
あのあと、なんとかゴーストシップに戻り、まふまふから治療を受けた。戻ったとき、まふまふは涙を流して喜んでいたが、
「傷だらけじゃないですか！！治療しますよ！」
と照れ隠しのように怒られた。
「まさか、ほんとに倒しちゃうなんてね」
そらるもどこか安心したように微笑んでいた。
「消滅やなくて、封印やけど」
とluzは言った。
そうなのだ。luzがルシファーにかけた魔法は、消滅させるものではなく封印だった。魔力量の関係で、消滅魔法は使えなかったらしい。
「それで充分だよ。これでしばらくは下界も安泰でしょ」
「まあ、封印を破られなければの話だけどな」
うらたがコーヒーをすすりながら言った。食堂にはそらる、うらた、志麻、そしてluzがテーブルを囲んでいる。
「そもそも、封印が解けることなんてあるわけ？」
「条件がそろえば。例えば、人間と契約を結ぶ……とか」
「まあ、そんな物好きはそう多くないだろうし、そのときはそのときでしょ………それで、これからどうするの？」
そらるはうらたに目を向けた。ゴーストシップに残るのか、それとも屋敷に戻るのか、放浪するのか。
「屋敷に戻る」
あらかじめ、志麻だけには伝えていた。
「…………Aは？」
「あいつしだい、やな」
「そう…………」
坂田とセンラは、Aの傍から離れようとしなかった。彼女はもう大丈夫だと笑っているけれど、Aが肉体的にも精神的にもボロボロで、傷が癒えていないのは明らかだった。彼女がそんな状態だから、坂田もセンラもまだ今後のことを考えられる状態にないのではないかと思う。
「坂田とセンラにも、近いうちに伝える。Aのケガが治るまでは…………」
「分かってるよ。医者はまふしかいないし、治るまではここに居てもらわないと、むしろ困る」
「さんきゅ、そらるさん」
そらるはそれ以上、何も言わなかった。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年6月26日 23時) (
レス) @page23 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 気づいたらこのお話に飲まれてました。とても素敵なお話をありがとうございました。他の作品も読みます！(*'▽'*) (2022年6月20日 21時) (レス) @page23 id: 020978a023 (このIDを非表示/違反報告)
ぷ(プロフ) - 読むたびに世界観に飲まれていきました。気付いたら最後まで読んでいました。素敵な世界を覗けてよかったです。ありがとうございました。 (2020年9月10日 20時) (レス) id: 5dd39aece4 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - 水無。さん» コメントありがとうございます。お楽しみいただけたのであれば何よりです。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年9月4日 23時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
水無。(プロフ) - ことで話にのめり込みやすかったですし、特に坂田さんの初々しいしい恋の表現の仕方には毎回きゅんきゅんさせられました。りひとさんの作る作品が大好きです。新作も前の作品も漁ってたくさん読みたいと思います。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年9月3日 21時) (レス) id: 2fdfcf242b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2020年8月1日 11時
