*38 M.Side ページ8
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『おはよう』そう声をかけたら
いつものように少し戸惑った、けど温かい。
そんな声がおはよう、と返って来る。
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密かに俺が出勤時に楽しみにしていること。
時計の針が8時55分になったら彼女がもうすぐ現れる合図。3、2、1秒…
はい。やっぱりドンピシャ。
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あ 「おはようございます…!」
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うん。今日も朝からすっごく元気だ。
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あ、今日は予想外れたなぁ…
えっ?なにが予想外れた?って。
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それは、Aちゃんの寝癖。
急いで来る時は大抵髪の毛が上にぴょんってなっているの。笑
それを見るのがまぁ、面白くて。
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勝手に俺の中で、今日はどっちだろって考えてるのが楽しいんだ。
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今日も55分。ギリギリに来たからきっと寝癖ひどい日だと思ってたのに俺の予想は大外れだった。
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いちいち表情がコロコロと変わるAちゃんを見るのが楽しい。
はつらつとしている彼女を見ているのが気持ちいい。
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今思えば初めて彼女を見た時もそうだったんだ。
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とある雨の日。スーツに身を包み手には大量の資料を抱えて会社のロビーをウロウロとしている女性が居た。
言っちゃ悪いけどその時は不審者みたいだなぁ、なんて。笑
この後会議が迫っていることも忘れて、彼女の挙動を傍で見守った。
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第4会議室、とずっと連呼していたから
今思えばその場所を必死で探していたんだね…?
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っと、その時。
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『えっ、あ…うわっ?!?』
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大量の資料を床に落としたその女性は、それに足を滑らせて、盛大に大コケした。
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宮 「…ふは、マジかよ。笑」
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こんな面白い子初めて見たよ。
行き交う人の目に恥ずかしくなっているその女性を俺はすごく魅力的に思えた。
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助けてあげよう、そう足を進めようとしたけど
その時先に手を差し出した人物。
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『大丈夫ですか?』
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それは紛れもなく阿部、で…
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そして、そんな阿部に。
潤った瞳を向けたその女性こそ…
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Aちゃん。
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あ 「宮舘さん、おはようございます…!」
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今俺のすぐ隣にいる…君だった、よね?
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2020年12月29日 22時