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＊57 A.Side ページ27
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電話を切った後もよく分かんない感情が俺を支配した。
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その心を鎮めるかのようにまた見上げた夜空。
今日は星は出ていない、何もない空。
こんな空を見たって心は落ち着きやしない。
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今も、Aと舘さんは一緒。
しかも二人きり…
変な気がないにしても、二人でいるっていう事実には変わりがない。
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いつもの俺ならそんなのどうでもよくって、軽くスルーなのに、今回はそういう訳にもいかない。
だって…
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ベランダから出る。
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そして、リビングのカレンダーを見て刻々と迫っている時間を実感した。
あと、一週間ちょっと…
俺とAが恋人で居られる期間。そして…
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あっという間だな。
つい最近出会ったばかりな気がするのに。
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宮崎に来て、確実に思い知らされる。
たったの数日なのに。それだけなのに。Aの存在の大きさに…
隣にAが居ないだけで、それはもう何もない世界のような気がして。
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けど、本気になっちゃいけない。
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甘ったれた気持ちを持ってはいけない、から。
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阿 「A、」
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残りあと少しだけ…
Aの彼氏で居させて。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月29日 22時
