【ハイキュー】どうしてこうなった。2【白鳥沢】 (ページ11)

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NOside

姫が内心冷や汗をかきながらハーブティーを飲んでいると、またコンコンと控えめなノック音が聞こえてきた。

「(誰だか知らないけどとりあえずナイス！このままだと確実に私の胃が死んでたから本当に助かったありがとうマジ感謝！)....どうぞ」

「.....チッ」

相変わらずポーカーフェイスを保つ姫。流石です。
.....ただ一人、白布はこの至福の時間を邪魔されたことに不満のようだが。

しかし、そんな姫の喜びは呆気なく崩れ落ちることとなる。

「失礼します、A様」

「失礼します姫様！」

「(ガッデム！！神はこの世にいなかった！)」

姫、ご乱心の模様。
やって来たのは白布と同期の執事、川西太一とこの城で一番若い執事である五色工である。

二人も、姫に歪んだ愛情を向ける者であった。

「A、ハーブティーを飲んでおられたのですか？きっとハーブティーを飲むA様も大変優雅で可憐なのでしょうね...出来ることなら、A様がお飲みになるハーブティーになりたい」

「(太一がハーブティー....アッちょっと想像したら鳥肌立ってきた気持ち悪すぎる)あ、相変わらず面白いことを言うのね、太一」

「え、俺何か面白いこと言いました...？」

”面白いこと”としておかないと、姫は今すぐにでも尋常じゃないくらいの胃痛によって卒倒していただろう。

このやり取りを見ていた五色は、ふと思い出したように「あ！」と声を上げた。

「姫様！俺、最近分かったことがあるんです！聞いてくださいますか？」

「おい五色。姫様に向かって頭が高いんだよ。申し訳ございません姫様。すぐに部屋から追い出しますので...」

「いいえ、大丈夫よ賢二郎。ええ勿論。何が分かったの？」

姫は優しく問いかける。
五色は「俺、姫様の視界に映る人達は皆嫌いってことが分かったんです！」と年相応の笑顔を見せる。

.....その瞬間、姫は「.....うん？」と思わず首を傾げる。

「姫様の視界には俺だけが映っていればいいのにって思うんです！この前瀬見さんと話してるのを見たときは、姫様のその美しい瞳に他の人が映るなんて耐えられないと思わず逃げ出しちゃったくらいです！」

あはは、と笑う五色だが、姫は内心困惑していた。まさかこんなストレートに言ってくるとは思わなかったのだ。

....白布と川西の二人は五色を思いっきり睨みつけているが、五色は全く気にした様子もない。

姫は悟った。
この城に平穏が訪れる日は来ない、と。