【ハイキュー】ど う し て こ う な っ た 。【白鳥沢】

可笑しい ページ7

Aside


「A、お前疲れた顔してるぞ？大丈夫か？」

「......え」


朝練が終わって、授業の準備をしていると、同じクラスの英太からそう言われた。


...そんなに顔に出てたかな。出てない自信はあったんだけど。


「そう？そんなにいつもと変わらないと思うけど」

「何年一緒にいたと思ってんだよ。ちょっとの表情の変化でも、すぐ分かっちまうっつーの」

「何それ。なんか怖い」

「んだとコラ！！」


このヤロー！！と言って、髪をわしゃわしゃしてきた英太。
私は犬か何かだと思われているのか。完全に手つきが犬を撫でるそれだぞ。


「髪、ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃない。英太のバカ」


ゴムを取り出して、髪を一束に縛ろうとした時、英太が「待て」と私の腕をガシッと掴んだ。


「なに？」

「...髪ぐしゃぐしゃにしたのは俺だから、俺が縛ってやるよ」


別にいいよ、という暇もなく、私のゴムを取って髪を縛り始めた英太。

私、まだ何も言ってないんだけど。
変なところで強引だよね。


「ほら、出来たぞ」


1分もかからずに、私の髪は綺麗なポニーテールになった。


「...英太ってこんなに器用だったんだ。ありがとう」

「そうか？それならこれからは俺がお前の髪、縛ってやるよ。別に減るモンじゃねえし...いーだろ？」


私は少し迷ったが、「別にいいよ」と承諾した。
英太は満足そうに「ん」と笑顔を見せた。

覚が前に言っていたけど、英太は女子からかなり人気だって....

確かに、納得できるかも。


「英太は他の子の髪も結んでいるの？それとも妹がいるとか？」

「は？俺に妹はいねえし、他の奴の髪も結んだりしたことねえよ」


え、じゃあなんでこんなに上手に髪を結べるの？
私は思ったことをそのまま口にした。すると英太は


「何言ってんだ？お前のために練習したに決まってんだろ」


.....言ってる意味が分からない。私のため？そんなこと、頼んだ覚えないんだけど。
そして練習したって何？なんか、美容師が練習する時とかに使う頭のマネキンを使ったの？そんな変な疑問ばかり生まれてくる。


あくまで平然を装って「どうやって練習したの」と聞くと、「行きつけの美容室の人に頼んで、頭のマネキン貰った」という答えが返ってきた。

どういう反応すればいいんだろう。


「つーかそんなこと気にすんな。Aは、俺に”全部”任せときゃいんだよ」


全部を強調しないで。

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