嘘つき姫君 藍〔ONE PIECE〕

128の欠片 ページ38

涙目になって言う乃愛に、青年は少したじろいだ

「．．わかったら、諦めてくれ」

ローは、乃愛を横目に青年に突きつけるように言った

青年は、少し顔色を悪くして、窓を開けた

そして、鉄パイプとシルクハットを被って出ていった

「．．．随分と物騒な退場の仕方だな」

ローは、吐き捨てるように言って乃愛に手を差し出した

「．．たてるか」

『はい、ごめんなさい．．』

乃愛は、顔を真っ青にして立ち上がった

その目には、光はない

「．．今後もあんな奴らが追ってくるかもしれない。乃愛、闘うことって出来るか？

別にどうこうするって訳じゃねぇ、自分の身を守れるか．．」

『．．もしかしたら、できるかも』

ローの問いに、乃愛は少しうつむきながら答えた

『．．私の中の私なら．．もしかしたら．．』

「．．そうか、もうすぐ島に着く。乃愛は俺についてこい。」

『どこか、行くんですか！？』

乃愛は、ローにパアッと顔を輝かせて言う

ローは、それを見て微笑しながら

「都合が良いな．．」

と呟いて、乃愛に言う

「服とか買わなきゃいけないだろ、あと俺も見たい本がある」

『あ、そうですね』

乃愛は、思い付いたように納得する

ローは、少しむすっとして、乃愛に言った

「さん付けと敬語はやめろ。堅苦しい」

『じゃあ．．ロー？』

「それでいい」

ローは、そう告げると、部屋を出ていった


まもなく、島に到着する


　

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