嘘つき姫君 藍〔ONE PIECE〕

111の刻 ページ21

エース視点


『．．マスカさん』


バッ


「！！」

「なっ」

Aは、マスカに抱きついた

あいつ、何する気だ！？

「おやおや、甘えたがりの思春期かな？」

マスカは、Aの頭を優しく撫でた


「おい！A！！」


『私、忘れません。

貴方に貰ったたくさんの絶望と

たくさんの経験は

一生私の中に残り続けるでしょう』

「そうかい、そうかい。改心してくれたようで良かったよ」


「やめろ！A！！」


『マスカさんも、私があげた絶望、忘れないでくださいね？』


「．．どういうことだい？」


マスカは、Aの発言に首をかしげた


『こういうことですよ』


Aの手に握られていたのは


手のひらサイズの、手榴弾


あいつ――！！！

駄目だ！駄目だ！！

やめろ！やめてくれ！！


俺たちは、Aに訴えた



「！！！」


「A！A！！」


瞬間、マスカの顔色が変わった

「くそ、放せ！放せ！」

『その顔、最高ですね。ほら、絶望ですよ？マスカさんが大好きな、私が大好きな。


甘い、甘い、人の不幸』

Aは、いたずらっぽくニコッと笑った


「やめろ！A、やめろ！！」

『エース、サボ、マルコ、リオン。いままで本当にありがとうね

こんな嘘つきな私を。

愛してくれて

守ってくれて

救ってくれて

助けようとしてくれて


本当に、ありがとう』

Aが、不意にこっちを振り向き、笑った


いつも俺たちが知ってる、あの優しい笑顔だった



チッチッチッチッ――――


ピーーーーーーー






『じゃあね。









バイバイ』









　

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