最近好きな白布先輩【白布賢二郎】 (ページ6)

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「＿＿＿えー、この2つの数について最大公約数を求めるには、ユークリッド互除法というのを使うんだが＿＿＿」

この季節で数Aもそろそろ終わりそうなのは、他と比べたら進度は早い方だと思う。

こう見えて私は、予習復習はけっこう真面目にやっている。そのため今くらいの簡単な授業は、聞いていても聞いていなくても困ることは無い。

それをいいことに、私は数学のノートの片隅に落書きをする。マカロンめっちゃ上手く描けた。

今日はバイトもないし、帰ったら久しぶりにマカロン作ろうかな。意外って思った？私、お菓子作りが趣味だったりするんです。

「じゃあ、この問題、4人班で話し合ってー。」

ガタガタとみんなが机を動かして、近くの席の人と4人グループを作る。白鳥沢はグループワークが何かと多いため、慣れた様子でみんな話し合っている。

「小泉、ここ、分かる？」

「うん。」

4人班にすると、前後だった五色が隣になるので、こうやって勉強について質問されるのも珍しいことじゃない。

「Aってなんだかんだ勉強出来るよね、特に数学は。」

「いや、ここは簡単じゃん。」

「解んなくて悪かったな……。」

「今のは五色が可哀想だぞ、小泉w」

五色と、かおりんと、斉藤くんの4人班は結構楽しくて、気に入っている。あ、斉藤くんって言うのは私の斜め前の席の子ね。

適当に配られたプリントの問題を解いていたら、ふと思い出した。

「………今日、委員会だ。」

「ん？あぁ、そうだな。早く部活行きたいのに……。」

月初めの火曜日。新聞委員会の日。

……最近、無性に白布先輩の前髪が見たい。理由は分からない。

やっと念願のサラサラ髪とご対面できると思うとやたらと浮かれてしまい、今度はノートに描いたマカロンの隣にプリンを描き足した。

すると、それを見た五色が食いつく。

「何それ、プリン？と、マカロン？…小泉、めっちゃ絵うまいね。」

「Aは絵より作る方が上手だよ。」

「……え？小泉お菓子作りすんの？」

ポカン、とした顔で見てくる斉藤くんに少しイラッとする。なんだよ。悪いか。

横を向くと五色のキラキラした目。どうしたんだ。

「……食べたい！！作って！！！」

「私も～。」

「俺も～。」

「…………今度ね。」

「「「やったー！」」」