【ハイキュー】生意気なクソガキを預かった【青葉城西】

No.19 因縁の相手 ページ19

………合宿の許可は、出せません…？


及川「っ……はぁぁぁ！？えっ、は……え？？………なんで！？」

「…何でもです」


意味分かんないんだけど。

前まで、許可してくれてたのに。


「お母さん達、夏休みにハワイに行くって行ったじゃない。旅行の日付と合宿が被ってるのよ」

及川「別に困る事なんて無いじゃん」

「Aちゃんが家で一人っきりになっちゃうじゃない」

及川「旅行に連れていけば？」

「まぁ、それもそうなんだけど……」


チラッとAを見て、言葉を濁す母さんに腹が立つ。

俺達は、春高で白鳥沢に勝つ為に、練習を欠かさない。

こんな大事な時期に主将である俺が休むなんて、言語道断だ。



及川「Aは母さん達に着いていく。他に何か駄目な事あるの？」

「んー……」

及川「……もういい。ご馳走様」

「あっちょっと…徹！」



母さんの言うことを無視して、自室に篭もる。



母さんだって、知ってる筈。俺達が今どんな状態か。

まだ一度も勝った事の無い白鳥沢。

何回も、何回も…白鳥沢に負けて、悔しい程に力の差を思い知らされてきた。

今年こそは、今年こそはって思っても足元にも及ばない。

所詮、天才には、天才しか勝てないのだろう。




及川「クソッ……」



試合が終わった後の、ウシワカの目が嫌いだった。

あの、見下すような目が。

コイツには一生勝てないんじゃないかと思う自分が嫌いだった。



及川「……ふぅ」



ちょっと、落ち着こう。

感情的になりすぎたら、だめ。

合宿の事はまた、話せばいい。



ベッドに寝転び、スマホを弄っていると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。


及川「……なに？A」

『お風呂。入ったから次どうぞ』



Aはタオルを首に掛け、髪が濡れていた。

俺はAの髪をタオルで拭いた。いや、濡れすぎでしょ。


『ちょ、…なに』

及川「濡れ過ぎなんだよ。ビショビショじゃん」

『もうちょっと優しくふいてよ。雑過ぎ』

及川「拭いてあげてんだから感謝しなよ」

『頼んでない』

及川「クソ生意気」


大体、水分が取れたから、二人で一階に降りる。

……ヤバ。母さん居るかな？すっごい気まずいんだけど………

リビングに入ってみると、母さんは居なかった。多分、仕事をしてるんだろう。



及川「じゃあ、入ってくるから覗かないでね」

『イケメンなら除くけど、とおるはちょっと…』

及川「何か言った？クソガキ」

『別に』

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