記憶の欠片 ページ2
赤司side
洛山高校。
俺は、帝光中学校を卒業し、
京都の洛山高校に来た。
洛山…か。
勿論、中学での事は思い出した。
キセキの世代が居る事。
俺は、キセキの世代の主将だった事。
全て、思い出した。
俺が記憶を無くしたのは、全中が終わった後だった
らしい。
黒子テツヤ。
彼は、全中が終わった直後退部した。
引退式、そして学校にも来ていなかった。
卒業式には、出ていたのを覚えている。
?「征ちゃん!!」
赤司「玲央、どうした。」
実渕「上の空だったから」
赤司「あっ、あぁ、悪い。」
実渕「最近、上の空よね、
体調悪くない?」
赤司「大丈夫だ。」
実渕「なら、良かったわぁ」
名前…
誰なんだ?
思いだせない。
実渕「あら?征ちゃん、落としたわよ」
赤司「すまない、ありが…とう。」
実渕「一緒に写ってるの征ちゃんの彼女?」
赤司「違うよ。」
実渕「彼女じゃないの?」
赤司「あぁ。」
玲央が拾ってくれたのは、写真だった。
その写真は、
あの時の彼女だった。
2人で写っている写真。
気づいたら、いつも持ち歩いていた。
思いだせない筈なのに、
______懐かしい感じがする。
分からない。
誰なんだ。
《征十郎》
赤司「えっ、」
誰かに呼ばれた。
俺は咄嗟に振り向いた。
実渕「あら、どうかしたの?征ちゃん。」
そこには玲央と僕だけ。
気のせいだったのかもしれない。
赤司「なんでもない。」
記憶には、彼女は居ない。
俺の記憶の欠片は、
曖昧な記憶。
時々、聞こえる名前を呼ぶ声。
"征十郎"と。
とても、悲しそうな声で。
君は、誰なんだ。
一体、君は僕の何なんだ。
頼む、
教えてくれ。
《知らないで。
思いださないで。
征十郎には、
___________知る必要の無い事だから。》
記憶の欠片が
全てを壊していく。
あの日の自分も。
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作者名:モノノベ | 作成日時:2018年6月19日 19時