プロローグ ページ1
＊
｢ごめん、ちょっと俺日直だったわ…パシられてくる｣
｢あー、そう言えばそうでしたね…お疲れ様です｣
｢あ、そらるさん、僕も行きます！僕先生にプリント出さなきゃ。ごめんまふ！すぐ戻るから！｣
｢…あ、うん。いいよ、待っとくね｣
僕は笑って手を振った。その途端、屋上には誰も居なくなった。友人が僕の左右から消えて、突然肌寒いと思った。
さっきまで沢山人がいたはずなのに、まるで何かに操られてるみたいに、僕の事をキャーキャー見つめていた女の子も、空を見上げる写真部の人達も、そらるさんも、天月も。
みんなこの5分ちょっとで、屋上から姿を消した。
残り半分を過ぎたお弁当を僕はお箸で掴んでは口に運んだ。太陽が僕の背中に当たって、春先なのに、汗がどことなく出てきそうだ。
｢…？！｣
突然、ひとつだった僕の影が、ゆっくりゆっくりと右側に同じような影が生まれた。僕は目を疑った。
｢…どうもこんにちは、僕は君の分身です｣
右耳から声が聞こえ、小さく悲鳴を漏らして反射的に振り向いた。風が吹いて顔を掛かった髪を耳に掛けながら、嗤う『僕』がいた。
＊
profile
AA
高校二年生
まふくんと同じクラスメイト。図書委員。
内気な性格で、おしとやか。
純粋無知で、柔らかな笑みが特徴。
噂とか心理テストとか占いとかが好き。というか、そういうの信じやすい。
相川 真冬
高校二年生
あだ名はまふくん。
密かにファンクラブができるほどの天使イケメン。
Aちゃんが好きだけど、他の女の子の視線とか噂とかが怖くて、なかなか彼女に手を出せていない。
優柔不断で、よくオロオロしちゃう。
軽音部にてギターやっている、が、最近幽霊部員気味。
一ノ瀬 彼方
高校三年生
何故かあだ名はそらるさん。本人がそう呼んでほしいとゴリ押ししてくる。
まふくんの幼馴染
冷静で、大人っぽい。図書委員長をやっている。
天宮 悠月
高校二年生
あだ名は天月。1番最初と最後から取ったあだ名。
Aちゃんと同じクラスで、よくAちゃんの様子をまふくんに伝えている。
まふくんのAちゃんへの愛を聞く係でもある。
Aちゃん目線は今回少ないかもしれません。
出来れば三人称に挑戦したいな、と思っていたのでそれの練習でもしようかなと思っています。
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作者名：しょうゆのすけ | 作成日時：2019年2月26日 15時
