男子校だなんて聞いてない【歌い手】

･ ページ31

｢もっと大人しくて、お料理出来る子やったらもっとええのになー？｣

｢…………〇すぞ？｣


｢んー、でも今のAも好きやで？俺のもんになってや、ゆうってやつよりもちゃんとしたら彼氏になったるし、それに……｣






そう言いながらするりと手が伸びてくる。髪の毛や耳元を触ってくる。


またあの感覚だ。


｢……っ、センラくっ……やめ、｣

｢だめー。｣




肩に乗せていた頭は今や首に顔を埋めている。

息がかかってくすぐったい。



｢…ちょ、誰かセンラマンを止めろって！！｣

｢センラ！！止まれって！｣

｢おいおいおい、いつものAのジョークやろ！！｣





二段ベッドでダラダラしてた3人が飛び降りてリビングに向かってきた。

無理やり引き剥がされたセンラくん。目がまだ笑ってない。



｢センラ、落ち着け？？｣

｢聞こえてるー？なぁ、セン………｣


そこまで3人が言ったところで腕を振り上げてこういった。


｢……あんたらはAちゃんがゆうとか言うやつに取られててええんやな？もう知らんで？｣


え、ヤンデレ化？やめてくれ。

少し後ずさりするものの感覚が麻痺してるのかうまく下がれない。



｢…それは……｣

｢……｣

｢……その｣


沈黙

そこに私が口を挟んだ。これが1番最悪な選択肢だと知らず。


｢いや、誰かこの話がジョークって切り出してくれよ。｣


｢……は？ジョークなん？｣





目が怒ってらっしゃる。

今日は私の命日だ。つー、と冷や汗が首を伝った。

･→←嫉妬とか言ってない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す