男子校だなんて聞いてない【歌い手】

嫉妬とか言ってない ページ30

Aside

｢はぁ〜〜〜！ゆうくんかっこいい〜〜｣





夜の時間。

今日はYo〇Tubeでアイドルグループのゆうくんを見てるんですが……


何やらたくさんの視線を感じる。まるでジャングルの可哀想なうさぎとそれを狙う肉食動物……みたいな。



｢……なーなー、それ誰なん？ゆうってなんなん？｣

｢へ？あー、ゆうくんね、すごくかっこいいんだぞ！！｣

｢……ふーん。｣




なんか納得しない様子で頬ずえをつきわざとらしくため息を漏らしたセンラくん。
そんな時に私は小学生男子のようなイタズラを始めてしまう。そんなくせを治したい年頃。


｢なになに？どうしたのー？私の彼氏だからね？！ゆうくんは！誰にもあげないよーっだ！｣


目を見開いて頬ずえを付いていた手が離れていく。その手は私の携帯をいじる手にするりと伸びてくる。




｢……っ、何すんだボケ！！｣

｢誰なん？ホンマに、彼氏おんの？｣

｢は、何言ってんの……ちょ、｣





彼氏って、あれね？！ネタだよ！！目が笑ってないやんおいおいおい。



｢ほんまにずるい。なんでそんなことすんの？｣

｢ちょまってセンラくん、ねぇ、あの｣

｢そんなゆうってやつよりも俺にしたらどうや？｣





コテンと頭を私の肩に当てて動かなくなった。



その瞬間ほかの作業をしていた3人がゆっくりこっちを見る







｢え、｣

｢は？｣

｢ちょ、｣



その瞬間身の毛がぶわっと逆立った。


｢――――っセンラくん！？｣

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