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「……」
「俺、月本 志麻。名前っ、名前なんて言うん?」
「……」
生徒会室に入れたものの、わんこ先輩よりも面倒臭い人__センラの比じゃないから全然大丈夫だけど__がいる。無視して私はいつものパイプ椅子に座って単語記憶アプリを取り出した。
…抜き打ちテスト、あれ何点ぐらい取れたかなぁ。
「うっ、冷たいよ〜センラー、あの子が冷たいよ〜」
「そりゃお前一種のセク ハラやからねそれ」
めそめそと泣き真似をしながら私から離れ、長机にダンボールを置き、中身のプリントを漁るセンラに話しかけた。いやお前なんか仕事しろよ、センラ1人で頑張ってんじゃん。
「つか、一年ですよねこの子。なんでおるん?今日1年生の遠足の件の話するから集まったんやけど…」
「あ、ほんまや!おら!出てけ!!シッシッ!!」
突然センラが寄ってきて嫌そうに手のひらを振り回して私を追い出そうとする。手が当たりそうでビクッと身を引いていく。
「犬みたいな扱いすんなァ!こっちは美女だぞ?!」
「おっ、喋った。」
頭に来たので私は椅子に片足を乗せて拳を振り上げて叫んだ。他人事みたいに傍観する紫髪の奴は私が喋った事に歓声を小さく上げた。
私の椅子に片足を乗せたそのポーズを、2人はじっとある一点を見つめた。なんだよ、と思い私は振り上げていた拳を下ろしてその体制のまま二人を見た。
「…何」
「おい、センラ、お前生徒会室だろ、こういうのちゃんと言ってあげろや」
「はぁ??志麻くんは後輩やろ?後輩が行くもんやろ」
「コソコソ喋んないで言えよ!気になるじゃん!!」
2人は睨み合いながら小声で喋っている。私がそう言った瞬間、センラは目を逸らし、志麻…だっけ、はガン見したまま、2人は一緒のタイミングで私の胸元をピッと指さした。
見ると私にとってはいつもの光景。きっちり閉めると気持ち悪い胸元と、うなじと肌とネックレス。
「…」
「…」
「……あ、これか。」
ネックレスはやっぱダメか、別に大事ってもんでもないし…と思い服の内側に入れていネックレスを取り出そうとボタンをもう1段外した。
「いやそれちゃう!!馬鹿!!おまぇえええ!」
「やっちゃえー!いけぇぇえ!!」
真反対の意見を叫ぶ2人を無視して私はネックレスを外した。そしてセンラに突き出した。
「これでしょ、別にいいよ。没収しなよ」
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ゆきか - 初コメ失礼します!すごく好みの作品で楽しく見させていただいています!続き待ってます! (2019年9月19日 17時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2019年7月28日 2時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - めい*cerw*さん» おっ、こたぬきなんですか!まーしぃが堂々とした年中お年頃な変態なら、センラさんは隠れ変t((← (2019年3月23日 21時) (レス) id: c3db11d6ec (このIDを非表示/違反報告)
めい*cerw* - 楓さん>>こちらこそありがとうございます!センラー!いいですね〜! もしかしたら時々下ネタ言うセンラさんもまーしぃーと同じお年ごr(((すみません!!!!!!!!(こたぬき)← (2019年3月23日 21時) (レス) id: 6f4d80c867 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - めい*cerw*さん» おぉ、いきなりだったのに返信していただきありがとうございます。変態なのも含めてまーしぃですからねー。(センラー)←まーしぃは年中お年頃なんですよ、きっと。 (2019年3月20日 22時) (レス) id: c3db11d6ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月31日 14時