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サクサクと先程の何倍も早く食べていくまふに私は焦って早く食べていく。が、私を抱きしめるセンラさんがもどかしくて、唇が震える。そしてセンラさんも何もしない訳が無い。私の耳にふーっと息を吹きかけた。
『っひ』なんて可愛げのある声が漏れる。声が漏れるということは口を離してしまう。私とまふの唇が当たる前にポッキーは床に落ちる。まふは目を丸くさせてポッキーを八つ当たりのように噛み砕く。
｢っちょっと…！｣
｢ごめん、まふ｣
｢大丈夫。Aのせいじゃないから｣
そう言って私を見透かすように奥でくすくす楽しそうに笑うセンラさんを睨んだ。そして、もう一本取り出した。私をじっと見て、念じるように話しかけた。
｢……A、我慢して。センラくんのに感じないで。…僕だけでいいの｣
｢っ、分かった｣
｢…じゃあ、いくよ｣
次も懲りずにセンラさんは耳に息を吹きかけた。ぐっと堪えた。落とさなかったが食べ進めるスピードが遅くなる。
何とか微かに唇が当たった。まふは途端に噛み切り口を離し、安易のため息を落とした。
｢…あと、1本｣
私も勢いよくポッキーを口に含んだ。
センラさんの抱きしめていた手が私の太ももにスラリと伸びた。ピクっと体が反応する。私も手を使って彼の手首を掴んで止めようとしたが、大きなセンラさんの手は内太腿を滑らせた。途端にポッキーが軽い音を鳴らして床に落ちる。
｢っ…っひ、…ぁ｣
｢…あーぁ、落ちちゃったぁ｣
悪魔みたいに私の耳元に甘ったるく囁くもんだから思わず彼からバッと顔を離して耳を塞いだ。怖かった。耳から、鼓膜から浸透していってしまいそうで。
まふは歯を食いしばって落ちたポッキーを手で荒々しく払った。いつもの天使は…影に隠れてしまったみたいだ。
｢…この場合はあと一本で成功ですか｣
｢そーやね。…まぁ、出来たら、ですけど｣
私は顔を上げて急かすようにまふに顔を近づけて口を開けた。シートベルトのように抱きしめられたセンラさんの温かみが、怖い。
クラスメイトで、なんともなかったはずの男子が、ここで突然怖く見えるなんて。
突然、まふがポッキーをギリギリまで口に入れ私の後頭部を掴んできた。私も負けじと食う。1秒も立たなかった気がする。唇がが当たった。まふは口を離すはずもなくキスをする。チョコの味がする。
甘い、天使の嫉妬だ。
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しらす - は？猫耳さかたんとか天使かよ (2019年4月23日 13時) (
レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - Blackgirlさん» コメントありがとうございます。続編もご期待に添えるよう頑張らせていただきます (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 歩さん» コメントありがとうございます。続編もよろしくお願いします…！ (2019年2月24日 15時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
Blackgirl(プロフ) - みんな一途で可愛い。続編期待してるで。 (2019年2月22日 23時) (レス) id: 61c7222caa (このIDを非表示/違反報告)
歩 - ついに続編ですか！！おめでとうございます！黒幕も出てきた(？)事だし、これからの展開が更に楽しみです！続編もふぁいとですっ！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 13020661c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょうゆのすけ | 作成日時：2019年1月21日 16時
