*続 ページ6
だがさかたんも黙ってはいなかった。頭に血が上るまふくんの、うらたさんの髪の毛を鷲掴みする手を軽く叩いた。ひるんでまふくんも手を離す。
「…っびっくりした」
「まふ、事情も知らんのに暴力はあかんよ」
「Aが泣いてるのに?どうして?」
純粋な怒りだけがあるまふくんにさかたんも言葉を失って黙り込んでしまう。そこに陽気な声の天月くんが割入った。
「まぁまぁ、二人ともAの事となるとすぐカッとする〜!Aを落ち着かせるとこから始めたら?ね?」
「…ご、ごめんね」
「…ほんまやな。」
まふくんの声が元に戻る。いや怖すぎ。うらたさんの顔を見るとどうしよう…みたいな真っ青な顔で私に助けを求めていた。
ドッキリ慣れしてないなぁとフンと軽く笑ってやると『お前なぁ…』と口パクで恨むように私を見つめた。
完全に泣き止んでいた私にまふくんが透き通る声で優しく問いかける。
「うらたくんに、何されたの?教えて」
「……」
「僕らちゃんと解決してあげるよ」
「……」
「…だんまりやなぁ」
いやまぁ勿論何もされてないしどういう設定か全く決めてないからベラベラ喋られへんしなぁ。さかたんは寂しそうに眉を八の字に下げて私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「じゃあうらたんから聞くしかないんだけどな」
天月くんが明らかに不機嫌そうな声でうらたさんを覗き込むように見つめた。ヒヤヒヤしている顔が見られないようにぷいっと天月くんから顔を逸らした。
…が、それが裏目に出た。
「…なんで目逸らすの?そろそろ答えてくれないと俺殴っちゃいそー」
天月くんサイコパス溢れ出る。ニコニコと拳を振り上げるもんだからうらたさんはビクッと体を震わせた。いや身長差…。ゴホン。黙っておこう。私は咄嗟に声を上げた。
「天月くんやめて!」
「…なんで?」
「えと…その……」
静かになった部屋で…うらたさんが頭を抱えて守ってて、天月くんが拳を振り上げたまま固まってて、まふくんとさかたんは私を挟んで優しく抱きしめる。
「…ドッキリです」
「…あああああ超怖かったあああうおおいいっつもこんな事やってんのかよおおお」
うらたさんがばっと走り出して私に飛びついた。多分うらたさんを仕掛け人に呼ぶことはもうないだろ。
結果:修羅場からのうらたさん理不尽な空気
*
「怖かった?」
「…別に…」
「じゃあなんで抱きついてんの」
「…ドッキリする度胸にほんと尊敬する」
*
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しらす好き - うわぁ!!騙されてしまいました!これからも、頑張って下さい! (2019年2月10日 15時) (レス) id: f05a7b8ab9 (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - わあああああ騙されました騙されました!!!!すごいすごい!!めっちゃいいです!!!!これからも応援します!!! (2019年2月10日 14時) (レス) id: 6d0f7297ef (このIDを非表示/違反報告)
仲館 瑠美(プロフ) - 続編よっしゃゃゃ!見事に引っかかってしまった(泣)これからも頑張ってください! (2019年2月10日 13時) (レス) id: 8a67a74e89 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 咲魔_ジャジャ麺さん» ご指摘ありがとうございます…誤字が多くて大変申し訳ございません。ありがとうございます (2019年2月9日 17時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - びしょ濡れドッキリのところ女の子って笑ってからそうだになってますよ (2019年2月9日 10時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月8日 16時