*続 ページ47
「……終わったーー!!!!」
私は机にうーんと丸めていた背を思いっきり伸ばした。環境を変えて、携帯を置いていくだけでこんなに作業が進むとは…!!
ここはその辺のホテルである。1番安めのベッドと机とお風呂とトイレだけの簡易な空間に書類とペンタブやらパソコンやら広げて昼間っからひたすらイラストを終わらせたのだ。イラスト3件の締切がまさか今日とは思ってなくて、久々の集中コースでした。
スマホあるとつい触っちゃうし、置いていって正解やったかも!時計に目をやるともう8時。コンビニで買ったおにぎりを口に含み、風呂を済ませすぐにふかふかのベッドに飛び込んだ。シワのないシーツは清潔感があって心地よい。
「…ぁ、しもた」
さかたんと今日ゲームする予定やったんやった。忘れてたてへ。まぁえっか。明日事情説明したらええか…
そんなふうに思っとったのに、まさかこんな事態になっとるなんて、誰が想像したやろか。
*
朝のタイマーが鳴らなかった。スマホを持ってきていないからだ。自然に目が覚め時計を見ると9時。見慣れない部屋を見て、あぁホテルに泊まったのかって思いだす。
黒いリュックサックに書類やらなんやら詰め込みチャックを閉め、背負い部屋を後にした。駅の改札を通ろうとした時、突然ぐわっと視界が引き下げられた。リュックサックを引っ張られたみたいだった。
「A!!!行くな!!」
「っえ?!」
まーしぃだった。そんな大声出してなんだろうと私は冬間なのに額から汗を流すまーしぃを見つめた。
改札の前から少し移動し、息を切らせたまーしぃはゆっくり、紡ぐように話た。
「…関西、戻るん?その重い荷物で」
「…ん?」
「なんで携帯置いてってるん?女の子が1人で東京うろついて何やってん?なんでなんも言わんと辞めるん?」
「え、待ってちょっt」
「…もしもし?居ったで。うん。その駅の改札前__」
まーしぃは携帯を出して誰かに電話をし始めた。私は否定する為に伸ばした手をゆっくり下ろして電話が終わるのを待つ。すると後ろから誰かにど突かれた。
「ぐふぅ!!!」
「…っは、っは、……居た…」
「そ、そらるさん……何やってんすか」
明らかに疲れ果てて顔面蒼白なそらるさんは私の肩に手を置いて必死に酸素を吸っていた。
どしてそんなに走っとんの皆。
*
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しらす好き - うわぁ!!騙されてしまいました!これからも、頑張って下さい! (2019年2月10日 15時) (レス) id: f05a7b8ab9 (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - わあああああ騙されました騙されました!!!!すごいすごい!!めっちゃいいです!!!!これからも応援します!!! (2019年2月10日 14時) (レス) id: 6d0f7297ef (このIDを非表示/違反報告)
仲館 瑠美(プロフ) - 続編よっしゃゃゃ!見事に引っかかってしまった(泣)これからも頑張ってください! (2019年2月10日 13時) (レス) id: 8a67a74e89 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 咲魔_ジャジャ麺さん» ご指摘ありがとうございます…誤字が多くて大変申し訳ございません。ありがとうございます (2019年2月9日 17時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - びしょ濡れドッキリのところ女の子って笑ってからそうだになってますよ (2019年2月9日 10時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月8日 16時