[NG編]そろそろ騙されろ! ページ36
数日後のある日の話。
「…まだ諦めてないの?」
「もちろんだろ、な、坂田」
「おん!!」
「えぇ……」
僕は流石に肩をすぼめた。2人はまだ諦めてないなんて。彼女__歌い手みずき__にドッキリで勝てる訳が無いだろう。僕はすっかり諦めていた。彼女以外に仕掛けるならまだしも、Aに仕掛けるのはバレているも同然。
「という事で、さっきまふがトイレに行ってる間に坂田が電話した」
「さかたんが電話したらバレるって学習してないの???」
「まふまふ!!お前はまだ最後まで話を聞いてない!!」
さかたんが僕を指さしてそう言うから僕は黙って続きを聞いた。よく見るとうらたんが少し機嫌悪そうな顔している。まさかもしや。
「………バレた」
「うん。でしょうね。」
「『ドッキリやろー?』って。やから俺はそうやでって言って切った」
えぇ、それで終わり?じゃあ今の話は…と言おうとしたら、まだ続きがあった。
「だから、今からあいつの家に行って逆ギレしてみる」
「とても可哀想なドッキリ」
それに僕が参加すると…。僕は本当に怒んないとキレると難しいしなぁ。それを伝えてみるとさかたんがこくこくと頷く。
「俺も俺も!Aに怒るなんて出来へんわぁ」
「胸ぐら掴んで怒鳴り込んだ奴が言うな(前作参照)」
「それなりに頑張ってみる?」
*
「そろそろ騙されろよ!!余裕そうでムカつくんだよォ!」
「えっ突然部屋あがってきてキレるって何なん」
そう言われて何も言い返せなくなってうらたんはチッと舌打ちを漏らす。もう負けだろ諦めろよ…と目で伝えるが、謎に燃え上がりやる気満々になっているさかたんにはそんな目線なんてつたわらないみたい。
「こんなに俺ら必死でAの言葉に騙されとんのにAは余裕そうやから___」
次の言葉が出なくってさかたんも口をもごもごさせる。僕は仕方なく座って携帯を持ったまま余裕そうに見つめるその瞳を見つめて圧のあるソプラノの声を落とした。
「___僕らが余裕なくしてあげようと思ってね」
うらたんがナイスとでも言いたそうな表情を浮かべ体を少し強ばらせたAに寄り添っていく。
「…っなに」
「男にそんなことした事、後悔させてやる」
「…ちょ、まって、落ち着きな???」
後ずさりするAに後ろから抱きついて僕らでもなかなか聞かないような低い声でさかたんがニタリと笑って耳元に声を吹き込んだ。
「…逃げんなよ?」
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しらす好き - うわぁ!!騙されてしまいました!これからも、頑張って下さい! (2019年2月10日 15時) (レス) id: f05a7b8ab9 (このIDを非表示/違反報告)
雫@更新おそめ(プロフ) - わあああああ騙されました騙されました!!!!すごいすごい!!めっちゃいいです!!!!これからも応援します!!! (2019年2月10日 14時) (レス) id: 6d0f7297ef (このIDを非表示/違反報告)
仲館 瑠美(プロフ) - 続編よっしゃゃゃ!見事に引っかかってしまった(泣)これからも頑張ってください! (2019年2月10日 13時) (レス) id: 8a67a74e89 (このIDを非表示/違反報告)
しょうゆのすけ(プロフ) - 咲魔_ジャジャ麺さん» ご指摘ありがとうございます…誤字が多くて大変申し訳ございません。ありがとうございます (2019年2月9日 17時) (レス) id: d6c32b13a2 (このIDを非表示/違反報告)
咲魔_ジャジャ麺 - びしょ濡れドッキリのところ女の子って笑ってからそうだになってますよ (2019年2月9日 10時) (レス) id: ac3afb786c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょうゆのすけ | 作成日時:2019年1月8日 16時