動物好かれがたぬきに好かれました【うらたぬき】

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｢…あの、今なんでキスしたんですか？｣



真冬くんがズカズカと寄ってくる。

グッと睨むも、なんのダメージも受けない【アイツ】。



｢俺がこの子のことすきだから？｣

｢いや、なんでハテナなんですか？！僕の方がA先輩のことが…！｣



ここまてま言うと私の方をはっと見て顔を真っ赤にした。

そう言えばこの人、最初会った時より確実に悪魔になってるよね。



｢…へーっ、残念だね｣

｢なにが！！｣

｢…Aちゃんは俺のだけど、どーやってとるの？｣

｢あ？！｣





真冬くんこわ……。

ぶるっと身震いをする。

って言うかさっきから【アイツ】との距離が近すぎる！

息がかかっていちいちビクッとしてしまう。






｢…先輩、返事は今度でいいです。次会うときはちゃんとなにか刃物持ってきます｣


と笑顔で言う真冬くん。


怖すぎる。







そう言ってぺこりをお辞儀をしたあと、【アイツ】に中指を立て、走って公演を出ていった。




｢二人っきりになっちゃったね？｣

｢やめてよ｣

｢あ、そうだ俺の名前はね、んー、うらた！｣

｢なんで考える必要あったの？｣

｢そんなのどーでもいいでしょ…？｣



そう言ってうらたは私に顔を近付ける。






｢うわ、かおまっか。かわい。｣





ぺろっと舌を出して笑い、またキスをしようとする。









――――パン！！！！


次に我に返ると、私はうらたに手を出していたことに気が付いた。

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