しょうがない ページ2
『まだ…？俺...生きてる。あ、これは夢？逝っちゃても夢なんて見るんだ。』
おそらく、終わりを迎えたであろう少年は希望を抱きながらも、その事実を受け止めることは少年には不可能だったようだ。
それも仕方ない事だったのかもしれない。彼は理不尽にも残酷に殺されたからだ。その感覚を彼は鮮明に覚えているようだ。
『夢は実際に見た光景がよく出てくると聞くが...』
少年は一旦落ち着きを取り戻し、冷静に行動してみることにした。
『森。いや、でも...こんな場所、少なくとも俺の家の近くには無かったはず。』
彼は割と都会の方に住んでいたようだ。こんなジャングルというイメージがつきそうな場所は無いのではないか。少年は、あまりの事に脳が追いつかなかったようだ。だんだんと少年の意識は沈んで行った。見知らぬ土地。怖いはずのこの森が彼には、心地よかった。
――「…いじょうぶ？」
だんだんと意識が戻ってきた彼は声を発した者を視線だけを動かし探した。
『えっと、誰ですか。』
彼はそう遠くない場所、いやとても近くで座っている彼女から声が発せられたのだと察した。
彼女は心配そうな顔をしている。裏がある人には彼は思えなかった。
『どうして俺はここにいるの。』
彼女はそのことについては、黙るだけだった。彼女は動かない。喋らない。何もしない。
『ッ...何があっても怒らないから教えて。』
少年はだんだん不安になってきたようだ。少年は一刻も早く答えてほしく安心させるような言葉を頭の中から引っ張り出した。
「じつはね...〜〜〜」
彼女は途切れ途切れながらも訳を話しだした。話を簡単にすると、彼女の村では、人間を秋になると1人殺し、そのものの命で神様がこの村に幸福を与えてくれる。という妙な迷信がある。
村人はこの迷信を過剰なほどに信じている。そんなときに、彼女は少年を見つけてしまった。倒れていたので介抱しようと、村に彼を連れ帰って来たせいで今年は彼が生贄になるという話になってしまっているようだ。
「でも、こんなことになるなんて思ってもみなかったの。本当にごめんなさい。」
少年は怒ることが出来なかった。
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歩マイ - サイコロステーキアホさん» こんな作品を読んでくださりありがとうございます。低評価の嵐で更新するのをやめかけてましたが、元気が出ますッ！(語彙力 (2020年6月6日 11時) (
レス) id: eaebe9ca52 (このIDを非表示/違反報告)
サイコロステーキアホ - 面白かったです (2020年5月27日 1時) (レス) id: d6069bd4ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歩マイ | 作成日時：2020年5月23日 16時
