再び恋をはじめます【緑】 (ページ9)

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『えっと…』

「やだ？」

『嫌じゃないけど、その、』

翔太くんに誘われたら断る子なんて普通はいないんだろう。だけどわたしは……

もう一度亮平の方を見ると亮平もこちらを見ていたのか目が合って、大丈夫？って口パクしてきた。

…大丈夫だけど、亮平がいる前で二人で抜け出したら幻滅されるんじゃないかって不安で、どうしていいかわからない。

「Aちゃん？」

「……俺抜けるわ、行こ」

『っ…！』

突然立ち上がった亮平がわたしのところに来たかと思ったら、わたしの腕を掴んでお店の外へと連れ出してくれた。

『………亮平、』

「…久しぶりだね、A」

元気だった？とわたしに向ける笑顔はどこか悲しそうで、今すぐにでも抱きしめたい気持ちでいっぱいになる。

『…そっちこそ。元気だった、？』

「元気だよ」

『そっか…』

少し会話を交わすと、訪れる沈黙。

亮平が隣を歩いてるの懐かしいな

少しだけあの頃のことを思い出そうとしてると、不意に目に入ったのは、未だに離されていない腕。

『あの、腕…』

「ん？あぁ、ごめん」

パッと離されて温もりが徐々に消えていく。

そのことに寂しいと感じているわたしは、
まだ亮平のことが好きなんだって実感した。

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