再び恋をはじめます【緑】 (ページ24)

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「阿部の元カノってAちゃんだったんだ」

道理で合コンの時気まずそうだったわけだ、と少し笑った翔太くんは、でもさ、と続けて言う。

「阿部と俺は違うよ」

『…そうだけど、』

「まだ阿部のことが好き？」

翔太くんの問いかけに黙って頷くと、そっか、と優しく頭を撫でてくれて、俺の事信用出来ない？なんて嫌味みたいなこと言ってごめん、ちょっと待ってて、とマンションの中に消えていった。

少しして戻ってきた翔太くんはお待たせ、じゃあ行こっか、とわたしの隣に並んで歩き出す瞬間、自然に手を繋いできたから困惑してしまう。

『しょうた、くん…？』

「Aちゃんが阿部のこと好きなのも、俺に脈がないのもわかった。だけどさ、頑張らせてくんない？」

『え…？』

「…いや、頑張るわ。絶対Aちゃん振り向かせるから」

てことで、と止まっていた足を再び動かしはじめる。
わたしも翔太くんに手を引かれるがまま、ついて行くように歩きはじめる。

…なんでわたしなんだろう、翔太くんにお似合いの子なんて他にもいるのに。……それに、わたしは亮平を忘れることが出来ていないのに。

だってほら、今だって。翔太くんの隣にいるのに、亮平のことを考えてる。だからわたしは、翔太くんに思われる資格なんてないの、

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