再び恋をはじめます【緑】 (ページ18)

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無事希望の大学に受かって、今日は入学式当日。

薄ピンクのシャツにスーツを着て、いかにも大学の入学式ですって感じ。新しい友達出来るかな、と少し不安になりながらも電車に揺られること15分。

入学式が行われる会場の最寄り駅について電車からおりると、ぶわぁっと吹き上げた風に髪が乱れる。

せっかく綺麗にセットしたのに、と思いながら髪を整えていると柱越しに見えた、彼の姿。

黒色に染った髪が、まるで新入生みたいだと思ったその時

「Aちゃん？」

こちらに気づいた阿部さんに名前を呼ばれて、ドキドキと加速する心臓。

まただ。阿部さんを見るとどうしても胸が苦しくなる。

「受かってたんだね。おめでとう」

『っ、ありがと、ございます』

「ははっなんでカタコトなの？(笑)」

それは、阿部さんが話しかけてくるから…

とは言えず。お久しぶりですって少し笑って返す。

「これから入学式でしょ？緊張してる？」

『…すこし、』

「そっか。でも大丈夫だよ、Aちゃんなら」

『っ…』

「俺も手伝いで会場に行くから一緒に行こ？」

首をこてんとした阿部さんは、わたしがまだ返事をしていないのに歩き出す。

阿部さんの隣、久しぶりだ。
あの頃もドキドキしてたけど、今の方がずっとドキドキしてる。久しぶりだからかな？それとも……

この頃のわたしは、まだ分からなかった。

自分が阿部さんのことをどう思っているかも、阿部さん自身のことも。

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