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やまとくんが逃してくれたはいいが、他のお客さんから聞く注文などほとんど耳に入らない。冷え切ったやまとくんの声色と、苛立った様子の男との会話だけが鼓膜を揺らす。
「え、なに急に？怖い怖い。俺ら騒いでないし迷惑かけてないじゃん。あの子と話してただけだから関係ない奴はどっか行っててよ」
「彼女も仕事中なんで、不必要に引き止めると他の作業に支障が出ます。それにあんまりにも執拗に絡むのは本人もきっと嫌なんで」
「は？だからお前に関係な…、」
「あと、ここは禁煙席ですし、お酒頼まれるなら年齢の確認出来るもの提示してください」
ビールのジョッキが並んだ机に視線をやったやまとくん。すると顔を見合わせた男達は気怠そうな顔をして一斉に立ち上がる。
「…なんだこいつ。めんどくさいし店変えようぜ」
店の近くに大学があるのか何なのかは知らないが、揉めるのは避けたいらしい。一人がそう言うと、残りの二人も同意するように煙草を携帯灰皿に雑に突っ込み潰した。立ち塞がるやまとくんにわざと肩をぶつけて出入り口に向かう彼等。
「退けよ」
「わっ」
一人の男が通路の端に居たあたしを押し退けた。その勢いで体が大きく傾くも、かろうじて転びはしなかった。
しかしめちゃくちゃに嫌な客だ、初めに顔がかっこいいと浮かれた自分に呆れるぐらいには。とにもかくにもさっさと帰ってくれてよかったと思いつつ、一言声を掛けようとやまとくんの方に目をやる。だが視線の先には彼はおらず、あたしの隣を風のように横切って行くやまとくんの残像が残る。
「待てや、クソ男」
雑な言葉で呼び止められた男が眉間に皺を寄せて振り返ったその瞬間、バキッと軽快な音が店に響いた。
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名無し85578号(プロフ) - どばししょうのお話好きすぎます（т-т）そもそも書く人が少ないのですごい嬉しいです（т-т） (4月21日 3時) (
レス) id: cb5a427560 (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - りを。さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。としみつくんにはお話の中でギターを持たせがちな私ですが、音楽以外のお話も面白そうですよね…！色々考えてみます^ ^ また是非覗きにきてくださいね！ (2022年1月10日 1時) (レス) id: c0fa65fbb4 (このIDを非表示/違反報告)
りを。 - とっても面白いです♪ としみつのお話もっとみたいです！！ (2022年1月7日 18時) (レス) id: b34e0ddef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2021年12月25日 23時
