07.家に棲むアイツ ページ7
SIDE.JIN
夜遅くに家のインターホンが鳴った。１度目は無視、２度目も無視。３度目も無視して、４度目のベルで半分キレながらインターホンに出た。画面に映っているのは上の階の住人。ここ最近は俺達も割と静かに過ごしていた筈だけど、どうやら文句を言いに来た訳ではないらしい。カメラを真っ直ぐ見つめてなにやら急いでいる様子。
「なに？」
「お願い！来てください！」
不機嫌に返せば、食い気味で「お願いだから！」とカメラに近づく。彼女の慌てようにトランジスタが様子を伺うようにこちらをチラリと見た。そんな彼に目配せをしながら「忙しい」と言えば「下の階がうるさいって大家に言いますよ！」とインターホン前で叫ばれる。これじゃあ確実にあんたの方がうるさい。
「…………なんで」
渋々聞けば、涙目の彼女はしくしくと両手で顔を覆いワンテンポ置いて怒号に近い大声をあげた。
「リビングにあれが、あれが出た！！！！！」
「………………あれ？」
「アレ！！！！！」
彼女の声量にキィンとインターホンが変な音を出す。そんなに大きな声を出さなくても聞こえる。
「あれって、みんなが嫌がるアレ？」
「そう！だから！！」
「……は？勘弁してよ。俺だって嫌なんだけど」
「いいからはやく！！」
このまま彼女を無視してると周りの住人からクレームが来そうだ。嫌々玄関に向かうと、血相を変えた彼女に引きずり出されるように家から出された。早く早くと俺の腕を引く彼女は顔を青くして慌ててる。
「走って！！取り逃がしちゃうじゃないですか！こんなことしてる間にもアイツが移動してるかもしれない！本当に寝室にだけは行って欲しくない！あ、あとキッチンとあとリビングと、風呂場と！！！」
ほぼ全部じゃねえかと言う俺のツッコミもさながら、彼女の部屋の前に連れて来られる。”どうぞ”みたいな感じで俺の背中を押した彼女だが、扉の前で俺は立ち止まった。
「………………」
俺はこの家に入ってもいいのか。これだけ慌てているのだから、中に人が居ないのは確かだが、果たして踏み込んでもいいものか。だが考える間も無く彼女に一際強く背中を押され、家の中に踏み入ってしまった。こうなってしまえば、もうどうにでもなれの勢いで靴を脱いだ俺はどこにいるんだと彼女にヤツの行方を訪ねる。
「トイレ！」
キンキン声が耳に響いた。階が違えど俺達の部屋と変わらない構造だからトイレの位置はわかる。玄関から一歩も踏み出そうとしない彼女を置いて、俺はトイレの方に向かった。
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匿名(プロフ) - 湯豆腐さん» とても嬉しいコメントありがとうございます^ ^ なかなか試行錯誤しておりますが、私なりの彼等を楽しんで頂ければと思います。お話いっぱいになり移行しましたので、次も末永く応援頂けると嬉しいです！ (2018年4月26日 21時) (
レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 花恋さん» お返事大変遅くなりました。時間が空きながらの更新ですが、それでも楽しみにしてくれる方々にとても感謝しております。またお話増えましたので、お時間ある時にでもちらりと覗いてみて下さい^ ^ お待ちしてます。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - なななさん» お返事大変遅くなり申し訳ないです。応援ありがとうございます！時間が出来また更新し始めたので、これからも気長に見守って頂ければ嬉しく思います^ ^ (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 夜星さん» お返事大変遅くなってしまいました。最近時間が出来たのでゆるゆると更新しております。暇な時にでも覗きに来ていただければ幸いです^ ^ (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐(プロフ) - 匿名さんがかくジンくんとマホトくんが一番好きです。匿名さんも大好きです。これからも応援してます！ (2018年4月25日 19時) (レス) id: 65ae9a78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名
| 作成日時：2017年7月10日 7時
