40.やけくそ ページ40
SIDE.JIN
ジン君!
今度ご飯行こうよ!
この前連絡先を交換したAの同級生は予想通りへきトラハウスとしての俺を知っていたし、"流石自分の事可愛いって分かってる女は違うな"って思わせるぐらいグイグイ来る。俺は適当な文を考えてテンプレートのようなありがちな返事を送った。
「早速連絡取ってんの」
リビングでステップと話していたAがそう尋ねてきた。彼女から俺の携帯の画面は見えないの筈なのに。
「…なんで分かんの」
「あ、ほんとに連絡取ってんだ」
"カマかけたら引っかかったね"と鼻を鳴らした彼女に俺は眉をひそめる。そんなやり取りを見てステップが「ジン君のトーク一覧、女の子しかいないよ」なんて言うもんだから、俺はより複雑な気持ちになる。
「ジン君だもん。誰と連絡取ってようがおかしくないし、しかも美人ばっかなの」
ステップの言葉にAが渋い顔をしたが、俺はそれをあえてスルーした。
「残念。”美人選んでる”んじゃなくて、俺の周りはキレイな子が多いの」
「らしいよ。やっぱジン君って生粋の女好きだよね」
「女が嫌いな男とかいねーから」
そうでしょと聞けば、そうだねとステップはニコニコしたまま頷いた。打って変わって彼女は、これでもかってぐらい仏頂面だ。
「…連絡するのはあなたの自由だけど。知り合いって思われたくないから、あたしの名前出さないでね」
「言う訳ない。何のために言うんだよ」
「意味もなく言いそうだから忠告してるの」
「………………」
うぜえぇ、可愛くねぇ！誰が言うか！って感じだけど、そんな約束したことも直ぐに忘れて、ぽろっと出てしまわぬように気をつけようとも思った。なんでそんなに嫌なんだよと聞くのもなんとなく女々しいし馬鹿馬鹿しくて、俺は彼女から視線を逸らす。するとまたステップとAは、何にもならないようなどうでもいい会話の続きを再開させる。
「てかさ、今度二人でご飯行こうよ」
「あたしとステップで？」
「うん。美味しいお店知ってるの」
「いいね。行く、行きたい」
リビングに居る彼等の会話は俄然盛り上がり、そんな約束までしていた。どんな内容でどんな共通点で果たして気が合ったのか知りたいぐらいだ。
明日空いてる?
俺は酷いぐらいのヤケクソで適当な女の子にそう送り、一秒で付いた既読にただ言い様のない退屈さを感じてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名(プロフ) - 湯豆腐さん» とても嬉しいコメントありがとうございます^ ^ なかなか試行錯誤しておりますが、私なりの彼等を楽しんで頂ければと思います。お話いっぱいになり移行しましたので、次も末永く応援頂けると嬉しいです！ (2018年4月26日 21時) (
レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 花恋さん» お返事大変遅くなりました。時間が空きながらの更新ですが、それでも楽しみにしてくれる方々にとても感謝しております。またお話増えましたので、お時間ある時にでもちらりと覗いてみて下さい^ ^ お待ちしてます。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - なななさん» お返事大変遅くなり申し訳ないです。応援ありがとうございます！時間が出来また更新し始めたので、これからも気長に見守って頂ければ嬉しく思います^ ^ (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
匿名(プロフ) - 夜星さん» お返事大変遅くなってしまいました。最近時間が出来たのでゆるゆると更新しております。暇な時にでも覗きに来ていただければ幸いです^ ^ (2018年4月26日 21時) (レス) id: 5ddf379a2d (このIDを非表示/違反報告)
湯豆腐(プロフ) - 匿名さんがかくジンくんとマホトくんが一番好きです。匿名さんも大好きです。これからも応援してます！ (2018年4月25日 19時) (レス) id: 65ae9a78b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：匿名
| 作成日時：2017年7月10日 7時
