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お坊さんとの二人暮らしに慣れてきた頃、お坊さんが子供を連れて帰ってきた。

私と同じくらいの歳の男の子だ。
黒髮で、勾玉を通した紐を首に巻いている。

おかえりなさーい!と、刀剣男士のログインボイスの様にお坊さんを出迎えたが、子供が視界に入って、私は思わず真顔になった。

誰だって、知らん人がいたらビビる。
しかも、割と上機嫌に出迎えてしまったのだ。
気まずい。私が。

黒髮の子は、お坊さんを盾にする様に隠れている。
ひょこっと顔を出したと思ったら、私を睨んできやがった。

粟田口の短刀達みたいな可愛らしいショタとは程遠い。

視線を逸らしたら負けな気がするので、私はこの子から目を離さない。
ガン見してたら、その子はチッと舌打ちした。

クソガキだ。
顔はいい方なのに、睨んでくるし舌打ちするしで、印象はマイナスである。

とりあえず、このままでは埒が明かないと思い、私は名前を尋ねた。
名前すら教えてくれなかった。

名前を教えてくれなかったので、渾名つけて呼んでやる!!


「今日から、この子もここで暮らす事になった」


お坊さんがその子の頭を撫でながらそう言った。

デスヨネー。
じゃなきゃ、いきなり子供連れてこないよね〜。
隠し子なんていないだろうし。


「アッ、ハイ」


私は一応返事をした。
黒髮の子はベーッと舌を出してバカにしてきた。
バカにされる意味が解らん。関わらんとこ。

誰にでも苦手な人は居るのだ。
そんな人が現れた場合、無駄に突っかかったり、無理して好きになろうとしなくていい。
ストレスが溜まるから。必要最低限、関わらない。

それにしても、あいつムカつくなぁ。

初対面で敵意剥き出しって、どういう事?

一人悶々としながら、ご飯を作る。

お坊さんは、黒髮の子をお風呂に連れていった。
私の時みたいに、体の隅々まで洗うんだろうなぁ。

それにしても、これから三人暮らしかぁ……
一食分の量が減るぞ。
金銭的余裕はないのだから。

仕方ない。
私はお世話になっている身だし、文句は言えない。
私ができる事なんて、家事と町のちょっとしたお手伝いくらいだ。
町のお手伝いでも、お金をくれるなんてよほどの事が無い限りは期待できない。
貰える物はせいぜいおやつくらいだ。

やっぱり、ちゃんとお店で働いた方が稼げるのかな?
でも、私はまだ子供だからなぁ……


「おい麻呂眉」

「ウルセェ勾玉野郎」


私が関わろうとしなくても、向こうはそういうつもりは無いらしい。
既に胃が痛い。

ー5ー→←ー3ー



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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生トリップ , 獪岳   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:そうや | 作成日時:2020年6月7日 21時

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