自我の迷走 ページ6
【夢主目線】
[現在一行を乗せた車は大通りを北上中…金融機関の前で止まりました…、中から数人…。金髪と茶髪、赤髪の三名です。]
追跡班が仕切りに此方に連絡を入れる。
昼下がりの横浜を黒塗り車両が列を成して走る。
此の状況は何処と無く懐かしく感じられた。
依然はトラックの荷台に寿司詰め状態になって任務に向かったものだ。
其れも今となっては、こうして首領と向き合って空間が空いた車に乗っている。
だが私にとっては幾分かあの寿司詰め状態の中に居た方が気が楽であった。
【お前は初任務だから逃げても大丈夫だろう】
そう言われていた時と今はまるで違う。
逃げれば世間でも此の場所でも私は極刑の罪人になる。何時本当に太宰さんの様に彼処に繋がれるか分からない。
そう思ったらまた大量の汗が出てきて其れをハンカチで拭った。
一方の首領はと云うとすっかり洋服を着替えて白衣を見に纏い、隣に座るエリス嬢とたわいも無い会話をしていた。
此の服装は浮くには浮くが町医者だと言われてしまえば頷かざるを得ない。
[金融機関から一行が出て来ました…、然し車に乗ったのは金髪だけです…。赤髪と茶髪はそれぞれ別の方向へ……]
分散して一体何を…?
[…それぞれを追跡するのは不可です…赤髪と茶髪を追跡し金髪の乗った車両は…]
其れ聞いてから私はトランシーバーの電源を落として首領に問うた。
「首領。茶髪と赤髪。何方へ行かれますか?其れによって付ける構成員の数を…」
首領「心配は無用だよ。一人で行こう。確か赤髪の方はまだ子供なのだろう?」
そう言ってエリス嬢の髪を梳かした。
「幾ら子供と云っても油断は禁物です…。何せ相手は組合の……」
首領「まあ々、そう言わずに行かせて貰えないかな。」
余りにもしつこく首領がそう言うので私も根負けして、車を降り赤髪少女の後を追っていく首領を唯見つめていた。
中也「本当に一人で行かせちまったよかよ…。」
車を降りた後、中原幹部は私に文句を垂れた。
「しょうがないじゃありませんか…本人があ々言うのですから…。」
中也「じゃあ此の大人数で茶髪をフルボッコにするのか?」
心做しか彼の口角が上がった気がして私は彼の顔を盗み見た。
中也「まあ構わねぇけどよ。詰問の初手で殺しちまうかもな。」
つくづく私は此の男の非道さを感じた。
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葵(プロフ) - 飽き性さん» ご丁寧なご指摘ありがとうございます(/Д`;応援ありがとうございます(^^♪頑張ります! (2018年8月1日 13時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
飽き性(プロフ) - 本編の方で福沢が福澤になってますよ。この小説大好きです!通知来る度うきうきしてます!無理せずこれからも更新頑張って下さい! (2018年7月31日 2時) (レス) id: 7dd1ea514d (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 雪奏さん» お気に召して頂けた様で大変嬉しく思います(^^♪どうか最後までお付き合い下さい(^ ^) (2018年7月25日 19時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
雪奏 - すごく面白いです!応援してます!壁|ョ・ω・`o)ガンバッテッ♪ (2018年7月22日 22時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - #祭鼓*@harigaya mako*さん» 応援のコメント大変嬉しく思います!最近仕事の方が激務を増して今して忙しいので更新が滞っていますがどうか最後まで読んで頂ければと思っております(^ ^) (2018年6月18日 23時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎそーまっち | 作成日時:2018年6月9日 18時