敵は何処へ ページ14
【目線なし】
牧師は心底驚いた。
何故なら芥川は牧師自身だけでなく、A諸共串刺しにしようとしているからである。
其の瞳には迷いはなかった。
宿るのはただ【殺意】の二文字だった。
この場において仲間を(この場合は人質と言えようか)殺そうとするなどあって良いものか。
容赦なく此方に向かう殺戮の権化に牧師は咄嗟にAを後ろへ突き飛ばした。
そして一瞬の内に手の甲を切り、血を流した。
【異能力・緋文字】
───────ドゴオォォンッッ!!!
二つの異なる異能がぶつかり合った。
それと共に物凄い爆風が生じてこの場所の戦慄をより物々しいものにしたのである。
芥川「────クッ……貴様、今…其の餓鬼を庇ったのか……?」
この状況下で牧師を煽る様に芥川は嘲笑を浮かべていた。
ナサ「…………貴君……正気ですか……?!今貴君は…仲間諸共…消し炭にしようとしたのですよッ!」
牧師の額をおかしな汗が伝った。
芥川「質問に答えよッ!……貴様は今、餓鬼を庇ったのかと聞いているのだ!」
嘲る嗤いを堪え震える声なのか、怒りを堪え震える声なのか牧師には検討もつかなかった。
ナサ「……………彼女を救う事は彼の人の意思であり共に神の希望でもある。それに背けば背信者。神への愚弄は重罪であり幾ら贖っても許されぬ大罪なのです…。」
牧師がそう言った瞬間不意に芥川の口角が上がった。
芥川「………では奴を救えなかった大罪を死んで償うが良い!愚かな牧師よッ!!」
ナサ「────ッ何?!!」
瞬間、後ろに居たAの体が芥川の羅生門によって天高く放り投げられた。
ナサ(………ッ…真逆…態と話しを逸らして注意を…。)
牧師はこれ又同様したが瞬時に緋文字の帯を彼女に伸ばした。
然し。それは虚しく彼女の元に届く前に芥川によって阻まれた。
芥川「────貴様の敵は僕だッ!!」
芥川の声と共に牧師の胸を黒獣が貫いた。
....................................
【夢主目線】
全く私は芥川君の思考が読めない。
これが太宰さんの言っていた独断専行的な思考なのだろうか。
目の前の風景は横浜が一望できる程高い。
本日二回目の落下。
それも仲間の手によって。
「………最期は仲間に…殺されるんだね……。」
そう口走った瞬間、見覚えのある夕陽色の癖っ毛が視界を掠めた。
195人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 飽き性さん» ご丁寧なご指摘ありがとうございます(/Д`;応援ありがとうございます(^^♪頑張ります! (2018年8月1日 13時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
飽き性(プロフ) - 本編の方で福沢が福澤になってますよ。この小説大好きです!通知来る度うきうきしてます!無理せずこれからも更新頑張って下さい! (2018年7月31日 2時) (レス) id: 7dd1ea514d (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 雪奏さん» お気に召して頂けた様で大変嬉しく思います(^^♪どうか最後までお付き合い下さい(^ ^) (2018年7月25日 19時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
雪奏 - すごく面白いです!応援してます!壁|ョ・ω・`o)ガンバッテッ♪ (2018年7月22日 22時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - #祭鼓*@harigaya mako*さん» 応援のコメント大変嬉しく思います!最近仕事の方が激務を増して今して忙しいので更新が滞っていますがどうか最後まで読んで頂ければと思っております(^ ^) (2018年6月18日 23時) (レス) id: 85af478746 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えりんぎそーまっち | 作成日時:2018年6月9日 18時