194話 ページ45
ユウside
あれから数日してAちゃんは目覚めた。
どうやら小さくなっていた期間のことは記憶にないみたいだった。
限くんに口止めされたこともあって、小さくなったことや過去のことには触れないようにし、Aちゃんには薬品を被ったあとはずっと寝ていたと伝えた。
こうして、Aちゃんが元に戻って、全てが前の通りに戻ったはずなのに、Aちゃんの様子が少しおかしい気がする。
こちらから声を掛ければ今までと変わらず接してくれるけど。
必要以上に話し掛けてこないというか、なにか避けられている気がする。
どうして、そう思ったがなんとなく心当たりはあった。
皆、小さなAちゃんのことを忘れられなくて、Aちゃんと接する時に少しぎこちなくなってしまっていた。
訳も分からないまま避けられたら、そりゃそうなるよね…。
でも僕達も踏ん切りがつかないでいた。
なんであの小さなAちゃんもAちゃんだったのに、消えなければいけなかったのか。
でも、だからといって僕達の知るAちゃんが消えるのも嫌だ。
そんなどうしようもない気持ちが湧いてしまう。
他にもっといい方法はなかったのか。
何も出来なかったくせにそんなことばかり考えてしまう。
あのままでいたらAちゃんが消えていたかもしれないのに。
優柔不断で、自分一人では何も出来ない。
それなのにいっちょ前にそんな正義感振りかざした考えをしてしまう自分が嫌になる。
なんで自分はこんな人間なんだろう。
あぁ、もう何だか全部嫌になってくる。
心の中にドス黒い靄がかかったかのように重たくのしかかる。
やだな。
こんな自分も。
僕以外を見るAちゃんも。
この世界も。
ぐるぐる
ぐるぐる
そんな考えが頭を占める。
何も考えずにただ、
Aちゃんとずっと一緒にいれる
そんな世界ならよかったのに。
『…ユウ？』
ユウ｢…ｯ！？｣
いつの間にか目の前に居たAちゃんに驚き、そのまま後ろに倒れそうになる。
『っと。ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど。』
怪我ない？と僕の腕を掴んで支えてくれるAちゃん。
なんで、
今こんなに汚い考えをしていた僕に。
こんな醜い僕に。
どうしてAちゃんは優しくしてくれるの？
とめどなく溢れ出した涙に彼女は少し驚いた表情を見せたが、直ぐに笑って抱き締めてくれた。
僕にはそれがとても心地よかった。
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のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
