166話【過去編】 ページ17
限side
頭領に手を引かれ歩いた先に、また知らない男が立っていた。
頭にバンダナのようなものをつけてる男だ。
正｢待たせた。すぐにでも始めよう。｣
バンダナの細波と呼ばれる男は気まずそうな顔をして頭領に問いかける。
細「本当にいいんですかい？起きた状態で。
眠ったままでも俺は、」
頭領は言葉の途中で細波さんの肩に手を置いた。
正「…今のままだとあの子は駄目になる。
かなりの荒治療にはなるが、A自身に言わせなきゃいけない。」
頼んだ、と頭領の言葉にやれやれというような表情で了承しAがいるであろう部屋に入る。
部屋の中では布団の上にAが縛られている状態で、身を捩らせて逃げようとするのを羽鳥さんに抑えられていた。
『は、なしてください！！！帰らないと！！帰らないと…！！！』
そう連呼していたAは入ってきた頭領を見て悲しそうに顔を背けた。
そんな様子を無言で見つめていた頭領が始めてくれと言うと細波さんはAの目の前に座る。
細「…なんで、帰らなきゃいけないのかな？」
その言葉に『言えません』と機械のように即答する。
細「へえ。早く帰らないと皆が殺される、ねぇ…皆って誰のことかな？」
『！？な、んで…！！』
考えていたことがバレたからか焦るA。
そんな彼女を置いて話を進める。
細「しげじいも正兄も良兄も、会ったことのない弟も、父さん母さんも皆殺されてしまう、か。それは酷いな。誰がそんなこと言うのかな？誰が君の家族を殺そうとしてる？」
『思ってません！！そんなこと思ってない！！！！嘘言わないで…ｯ！！！！！』
細「ふぅん。名前は知らないのか。残念だ。でも顔はわかったから良しとしようか。」
やめてと取り乱すA。付き合いも短いから当たり前だが、泣いている姿は初めて見た。
脅されて、いたんだ。ずっと。
それを一人で抱えて七年も頑張っていた。
細「でも殺されるって言っても本当に手を出すかは分からないでしょ？
どうして言われるがままに動くかなぁ？？
…何が、君を縛ってる？」
本当は手を出せないのに脅しの為に言ってるだけかもしれないよ、と言った細波さんが急に眼を抑えて蹲る。
正「どうした細波っ！！？」
慌てて頭領が駆け寄るのを細波さんは右手を大丈夫だと言うかのようにひらひらと振って制止する。
細「いやいや、きっつ…。餓鬼に見せるようなもんじゃないでしょうよソレは。」
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のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
