160話【過去編】 ページ11
限side
あの後、どうやって帰ったか覚えてない。
恐怖心を消すようにがむしゃらに走って、気付いたら夜行本部に着いていた。
着いてから亜十羅に何か言われてた気がするけど、全く聞いてなかった。
聞けるような状態じゃなかった。
なん、だったんだあれは。
一瞬見えたアイツの姿。
いつもみたいな綺麗な肌じゃなく、傷だらけで。所々変色していて。腕も、なくて。全てが赤に染っていた。
思い出すだけでも吐きそうになる。
一晩中アイツのことが頭の中でグルグル回って眠れなかった。
今日、アイツ来るのかな、？
あんな怪我じゃ来れない、よな。
着替えてから、亜十羅に朝食は要らないと一言伝えていつもの修行場所に向かった。
アイツ、虐待されてるのかな。
親からも虐待されて、兄からは殺されそうで。
そんなのって、あるかよ。
自分のことでもないのに胸が締め付けられる。
暫く俯いたままでいると、ガサッと物音がした。
亜十羅が朝飯食べるよって連行しに来たのかと思って音の方向を見れば、Aが立っていた。
『おはよう』
何事も無かったかのように、いつも見ていたまっさらで白い肌のままで、いつも通りそこに立っていた。
限｢お、まえ....ｯ！！！傷は！？？｣
ガッと肩を掴んで問い詰める。
あの怪我が1日で治るなんて有り得ない。
『....やっぱり、昨日見てたの志々尾くんだったんだね』
限｢やっぱりって....気付いて、？｣
バレていたとは思っていなかったから、驚いて肩から手を離す。
Aは少し悲しそうに笑った。
『ごめんね。嫌なもの見せて。』
な、んでお前が謝るんだよ。
俺が勝手に行っただけなのに。
『....気持ち悪い、よね。でも、ごめん。今まで通り此処に来ないといけないから、顔見せることになってしまう。』
見たくないと思うけど、ごめんね。
そうもう一度謝った。
なんで。
『もう今までみたいに話さなくていいから。修行も邪魔しないから。居るだけ、居させてくれないかな、？』
限｢....な、なんでｯ！！なんでアンタが謝るんだよ！！！！悪いことなんて何にもしてないじゃないか！！！！！どうして全部、全部自分のせいみたいに....ｯｯ！！！！！｣
情けなく、泣いてしまった。
思いの丈をぶつけて。
こんなの子供みたいじゃないか。
Aはゆっくり俺の頬に触れて涙を拭った。
『志々尾くんは、優しいね。
....でも私なんかの為に綺麗な涙流しちゃダメだよ。全部、私のせいなんだから。』
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のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
