【ヒプマイ】甘やかして［男主］

ライズ7 ページ9

次に目が覚めたのは衣擦れの音が聞こえてきた時だった

目を開けると見たことあるようなないような、そんな白塗りの天井が見える

痛む身体を無理矢理起こすと、ペラペラと文庫本の頁をめくる銃兎がいた

銃兎はこちらに気づいたのかベッドへと歩み寄ってくる

銃兎｢おはようございますA。お体の加減は如何ですか？痛むところなど…｣

とシーツ握る左手をさすってきた

こんな自分を労わってくれるのがこそばゆくて仕方ない

A｢……得には｣

銃兎｢あぁ、声が掠れて。昨夜あんなに声を出していればそうなりますよね｣

艶っぽく笑う銃兎は昨日あった出来事を掘り返してくる

A｢からかわないで下さい、俺今日用事があって、、今何時ですか？｣

そう言えば少し考えるように顎に手を添えると、腕に巻かれた高そうな腕時計を見せてきた

銃兎｢今は朝の9時過ぎです。用事とはイケブクロディビジョンの山田一郎と会う約束の事でしょう？｣

いかにも男らしいという手が頭を人懐こく撫でる

気持ちがいい

A｢この汚職警官め、職権乱用だぞ｣

今俺を撫でている手とは反対の方に、俺のスマホが握られていた

ロックをかけていたはず

一体キーの六文字をどんな方法で調べたのか、気になるが聞かないことにする

銃兎｢左馬刻は仕事が急遽入ったそうでね、いないんですよ。とりあえずコーヒー淹れますから｣

そう言って出て行った

腰は痛いがギリギリ歩けない事もない

先に出て行ってしまった銃兎を追いかけて袖を引く

A｢……俺、甘いのがいい｣

銃兎はふふと甘えたがりな子供をあやす様に笑った

銃兎｢そう言うと思ってミルクたっぷりですよ｣

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