【ヒプマイ】甘やかして［男主］

ライズ13 ページ16

麦茶の中に浮かぶ氷は照明で反射し輝いている

隣にはグレーの美しい長髪を背に流した寂雷先生が座っていた

ただのお茶でさえ寂雷先生が飲むとめちゃくちゃ高級なお茶に見える

美形ってこえぇぇ〜〜〜

無自覚で心臓えぐってくるから超危険

寂雷「……くん、Aくん、聞いているかい？」

A「っは、はひ！！」

やば綺麗なお顔が俺を覗き込んでた

頭の中で吐血する

もう死んでもいい

寂雷「ふふ、ぼーっとして何を考えていたのか気になりますね」

あー！！イケメン！！好き！！

A「別に大した事では無いですよ、一二三の寝顔が子供っぽいなぁって」

シャンパンと勘違いし強い酒をあおった独歩に一二三が被さって寝ている

グロッキーな独歩はのしかかられる体重の重さに呻いていた

2人で眺めて居たのだが、何だか可哀想になってきて退かしてあげる

目を薄らと空けた独歩にありがとうと言われた

A「お水飲みましょうね」

独歩の背に手を添えて抱き起こし、コップに半分注いだ水を渡す

ゆっくりと受け取ってちびちびと飲み始める独歩はもう小動物

激かわ

寂雷「すまないね、こんな時間まで付き合わせてしまって」

時刻は既に日付を越えていた

俺もシャンパンを少しあおったが、そこまで酔ってはない

A「いえいえ、俺が居たくて居るんですから。それに寂雷先生ともこうしてお話できますし」

水を飲み終えた独歩からコップを受け取り机に置いた

そのまま独歩を横にさせる

少し経つと規則正しい寝息が聞こえてきた

とても微笑ましい

寂雷「嬉しい事を言ってくれるね、私もAくんと同じ時を共有出来ていると思うととても嬉しいよ」

そんな言葉にちょっと顔が熱くなる

いつも先生は欲しい時に欲しい言葉をくれるし、居て欲しい時に居てくれる

そう物思いに耽っていたら、寂雷先生の長い髪が俺の肩にさらりとかかった

A「え、ちょ、先生なにを」

綺麗な顔が段々と近づいてきて手をあたふたと振り回す

ちゅ、と軽いリップ音をたてて俺にキスしていた

先生からのキス

さらさらと指通りのいいだろう髪が顔の両脇にかかってくすぐったい

長く感じた数分が過ぎ、先生の口が離れた

寂雷先生の瞳はなんだか懇願濡れているようで、とてつもなく抱き締めたくなった

A「…………先生、酔ってますか」

寂雷「おや、私はお酒を一滴も飲んでいないよ」

滑らかな手が俺の頬を愛おしそうに撫でた

刻々と時が進む深夜

余りの出来事に俺は___

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