L . T U N E H O U S E !! 〈３〉 (ページ32)

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# 過去 . ページ32

〈 y a s u i 〉

俺がおかしいと思い始めたのは、

顕嵐と帰りが遅くなった時

速報で連続殺人犯が逃走してるって流れた時ね？

あの後、顔を強ばらせて俺の側から離れなかった

何聞いても大丈夫。の一点張りだし

さなぴーに相談した事もあった

そんな時に

真「やっすー、ちょっといい？」

安「何？」

誰も入ったことがないと有名なさなぴーの部屋に

初めて入った

真「Aの事なんだけど…」

さなぴーから出た言葉に整理が追いつかなかった

真「神山さんとAはホントの兄弟じゃない」

安「ちょ、待って。どーゆう意味？」

真「婚姻届取りに行ったら、神山さんもいて
書類貰ってたのね？
戸籍に名前が無かった…
その代わり施設の方に名前があってさ、
岩本A。ホントの名前は。」

Aが施設で育ったのも

神山さんと兄弟じゃないことも

強ばった顔だって何か意味があるんだって思った

誰にも見せない心の闇を

取り除いてあげたい

俺が出来るのはこれくらいしか出来ないから

１人で施設に向かう

子供たちが走り回ったり、笑ったり

中には悲しい顔をしてる子もいたり

Aはどっちだったんだろう…

『どちら様ですか？』

安「あ… 僕、安井謙太郎と言います。
Aさんとシェアハウスで生活を共にしてまして…」

『あら！Aちゃんと？？』

優しそうなおばさん

散らかってるけど！と快く案内してくれた

『そうですか、Aちゃんと…』

安「はい。あ、これ…」

『可愛いでしょう？真ん中がAちゃんで
隣の男の子が智洋くんよ』

安「可愛いです」

『この時まではね？凄く笑いの絶えない子だったのよ？』

安「へ…？」

『知りたくて来たのよね…？』

おばさんにはバレバレで

教えてください。と頭を下げると

『みんな前に進んでほしいの』

と、おばさんは話し始めた