L . T U N E H O U S E !! 〈３〉 (ページ12)

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# ４ . ページ12

〈 a r a n 〉

「もう大丈夫… ごめんね」

大丈夫じゃねぇくせに

自分の気持ちを押し殺して

無理に笑おうとするA

違う、そんな顔が見たくて俺は譲ったんじゃない

好きなやつといる時の…

萩ちゃんといる時のAの顔が大好きなのに

「戻らなくちゃ、みんな心配してる」

顕「戻らなくていいよ」

好きなやつの好きな顔が見れないなら

戻る必要なんてない

顕「A」

「ん？」

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顕「ここより楽しい所連れてってやる」

Aの返事も聞かずに手を引いて

乗ってきたバイクに跨った

ブロロロロロ…

「ねーえー！あーらーん！」

顕「あー？」

「どこまでいくのー？お家真逆だよー？」

顕「楽しみにしとけー」

音がまぁまぁデカいバイクだから

信号で止まってても声を張らないと聞こえない

諦めかけた俺の心を動かそうとすんなよ

萩ちゃん

少しブレーキをかけすぎて

びっくりしてギュッて強くなる腕も

もう１回されたくてわざと踏んで

背中をベシベシ叩く手も

全てが俺の心を掻き乱す

顕「着いたぞ」

「わぁー！！凄いっ！」

砂浜を嬉しそうに歩き回る

「顕嵐も！」

顕「おわっ！」

腕をひいて波打ち際まで近づいて

濡れるか濡れないかではしゃぐのを見下ろす

疲れてバイクに戻ってバイクに跨るA

俺はその後ろに乗った

「凄い静かだね」

顕「眠くなる」

「寝ないでよ！私バイク運転出来ないよ！？」

顕「わかってるよ( 笑 )」

波風が全身を包む

「寒いの？」

顕「そーゆー事にしといて」

後ろからAの腰に腕を回して

肩に顔を埋める

少しだけ… 少しだけ好きだった頃に戻らせて

次の場所に連れていった時には

この気持ちにまた蓋をするから…

だから

顕「月、綺麗だったな」

「過去形？( 笑 ) 今出てるのに～」

その笑顔をもっと見せて？