◆ All I need is you 10 ◆ ページ15
「…？」
今、凄い音が聴こえたような…？
後ろ髪を引かれつつも、タクシーは舗装されたアスファルトの道を進んでいく。道路を挟む木々が移ろいで行く様を目にしながら、選択した道へと輸送される。
これで、いいんだ。
何度も心に言い聞かせて、静かに目を閉じる。
直後、パリンッという硝子が割れる音が聴こえた。
何だと目を開ければ、びちゃっとシートを汚す血液と傷跡を手で抑えて悶える運転手の姿があった。血が流れている場所は肩ですぐに圧迫しようと身を乗り出すと運転手はその前に身を前へ屈めた。
「大丈夫ですか！？」
「お、お客さん、伏せて…！狙撃されてる！」
その言葉ですぐに自身も身をかがめる。
だが、1歩遅かったのか放たれた銃弾が肩を掠め、少量の血が溢れ出た。
手で傷口を抑えながらも、窓から見えた集団に瞠目せずには居られなかった。
「え…？」
それは、あの人が束ねるギャングチームの証。
赤いスーツを纏った集団が小さな崖から滑り落ちてきて、タクシーを取り囲む。窓から此方を覗き込む人物は見たことの無い男性であり、運転手が鍵をかける前にドアに手をかけた。
「大丈夫ですか！？RIDDLEに攫われたとだるまさんに聞いたんですが！助けに来ました！！さっき、撃った奴も殺したんで安心してください！だるまさんの所へ行きましょう！」
「…え？」
胸に突き刺さる強烈な違和感は無視出来ない。
あの人は、話を受けたはずだ。
こんな事をしたら、意味が無いと分かっている筈。
……私が信じるのは私が見てきた、あの人だ。
『知らんやつ…特に誰かの頼みで来たっていう知らん奴には気をつけて』
あの人は、こんな大事な事を幹部ではない下っ端に任せるわけがない。それも、顔も知らない人に任せるはずがない。
タワマンの時の忠告とはまた状況は違うが、タワマンの出入りは私の知っていた人物だけに限定されていた。たった、出入りだけなのに開ける対象の人物を決めていた彼なら……。
"目の前いる赤いスーツの集団"は信用に値しないだろう。
「その前に運転手の人の手当を。救護信号をお願いします」
「分かりました。貴方は此方で保護した後、だるまさんの所へ」
「いえ、警察を呼ぶので大丈夫です。助けて頂きありがとうございました。早くしないと、また捕まってしまいますよ」
私の返答は妥当だ。状況だけ見てたなら怪しくない返答。
けれど、男は人の良さそうな表情を一変させ、思い切り頬を打った。
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ひかり(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ドキドキしながらよませていただきました。緩急の付け方がうまくて面白かったです。個人的に作者様が描くkzhさんがイケメンだったのでいつか機会あればkzhさんメインならお話読みたいなと思いました。 (2月17日 0時) (
レス) @page49 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
うなぎ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！作中でも涙を流し、あとがきでも更なる新事実を突きつけられ涙を流しながらこの熱をお伝えせねば！という次第であります…本当に素晴らしい作品と出会えて幸せです。作者様の今後のご活躍をお祈り申し上げます！！！ (1月11日 11時) (レス) @page50 id: c9a421e797 (このIDを非表示/違反報告)
落ち椿 - 完結おめでとうございます！！drmさんの愛の伝え方が解釈一致で、終始きゅんきゅんしていました。drmさんに連れ去られるところはこのまま監'禁ルート来るか?！とドキドキしていましたが、どっちにしろ甘々で最高でした🥰番外編待ってます！お疲れさまでした！ (12月29日 13時) (レス) @page49 id: 5a9946419b (このIDを非表示/違反報告)
koko - 完結おめでとうござきます、！最後の最後まで素敵なお話でした！番外編も期待しています！これからも応援してます！！ (12月28日 19時) (レス) @page49 id: 8752385bf7 (このIDを非表示/違反報告)
qichi(プロフ) - わああ、、すごく好きです、、！！続きとても楽しみです…！！ (11月24日 3時) (レス) @page23 id: 4c2c43e5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年11月11日 0時
