◇ I'm in love with you everyday 4 ◇ ページ39
数十分、バイクを走らせると付近の山へと景色が変わる。
夜ということもありおどろおどろしい雰囲気なあるものの、人気はある為、そこまで怖くはなかった。
足元はスマホのライトで照らし、無造作に生えまくった雑草を掻き分けて丘を登る。途中途中、泥濘や石に躓いて脚を取られたりしたがその度にだるまさんがしっかりと私の腕を掴んでくれて、新品の洋服を汚す事は無かった。
「A、意外とドジっ子だったりする？」
「昼だったらこんなにコケませんよ…足元が見えにくくて」
「昼だとピクニックになるな！お弁当とか持ってきて、2人でも皆でもしたいな！よし、今度はピクニックに来よう！！」
「ピクニックにくるギャングって…」
もう次の予定を立てているだるまさんは子供のように目がキラキラしていて、これから観る星にも負けない輝きを持っているのだろう。
手を引かれるがまま、丘を登る。すると、そこだけ芝が刈り取られ不自然に設置された新品のベンチがあった。あまりのも不自然過ぎたので指摘すれば、
「んふふ、ここに取り付けちゃった！」
と鼻を鳴らして、胸を張りながら自慢した。
この人の行動力はほんと凄まじい。
雑草も丁寧に抜かれて、整地されている。虫除けの香も隠されて炊かれているらしく独特の匂いはするものの、気にならない。
胸元から取りだしたハンカチをベンチに敷き、その上に私を座らすだるまさん。私が座ったと同時にだるまさんも隣に座ってスマホの明かりを消す。
空を見ないように、そしてコケないように頑張って下を向き続けた私はゆっくりと顔を上げ___________硝煙と爆薬の臭いが溜まる街を見守る、数々の星の煌めきと対面した。
「わぁ…！」
街は明るく、人工的な明かりは自然の明かりを掻き消す。
だが、少し離れて山に行けば満天の星空とはいえなくとも、星が見える。恐らくもっと山を上がれば、よく見えるのだろうがそうなるともっと本格的な装備が必要になるだろう。
でも、私の見上げる空も充分に綺麗だ。
星の天幕。数が少ないからこそ星はより輝いて、ぽつんと浮かぶ月と雅を奏でる。
「…綺麗やなぁ」
「はい」
ただ見るだけの癒し。都会の騒音とは無縁の静寂に包まれてしまえば、虜になるのも致し方ない。
言葉を交わすことなく、互いに身を寄せあいながらただ見てるだけ。
これがデートなのか分からないが、だるまさんは私が星に感慨しているのを邪魔しないようにしてくれていた。
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
