◆ A loving day with you ◆ ページ33
社畜という生体にはその身体に平日と休日のパターンが搭載されている。
数年も社畜労働生活を送れば、平日は目覚ましなくとも起きられてしまうぐらいに狂ってしまう。
明日が有給とあれば身体は休日のパターンに切り替わるが、切り替え要素がないと枕元にあるスマホに表示された時計を見て、冷や汗が垂れる。その場から消え去りたい感覚に侵された。
既に始業時間を過ぎていて、遅刻では済まされないような時間になっていた。
「遅刻ッ…！い"ッ！」
急に起き上がったせいか、腹の痛みが疼く。
痛みに歯を食いしばりながら、立ち上がろうとするも自分の部屋では無いことに気づく。そして、昨日の夜に…だるまさんの元で保護を受けた事を思い出し、焦りの紐は段々と緩んでいった。
…まさか、タワマンで寝起きする事があるなんて。
自分の力では一生、叶うことの無い夢がここで叶うとは思わなかった。
ここの住人に朝の挨拶をするべく、ベッドから足を出しフローリングへ足裏をつかそうとするも足裏の感触は肉を踏んでいるようで。
「おっほぉ…♡」
喘ぎ声が聴こえた瞬間、足をすぐさまベットに戻す。
下に明らかな変態がいる非常事態に朝から出くわし、近くにあった枕を手にして防戦。
恐る恐る、下にいる変態を退治しようとすれば…「おはよ〜」と爽やかな挨拶をするじゃすぱーさんがいた。
「あ、凄い！正しく塵を見る冷ややかな目！いやぁ、ごめんなさいね。起こしに行こうと思ったら寝ちゃって…」
「そう、ですか。すみません。お尻、踏んでしまって…」
「御褒美みたいなもんなので気にしないでね」
「え"っ…」
遂に脳の許容範囲を越え、考える事を止めた。これ以上、追求したなら何か良くない園へ辿り着いてしまう気がする。
じゃすぱーさんが寝転がっていた反対側から降り、上階へ繋がる階段へ上がるとへしこさん、ローレンさん等の面子が顔を揃えていた。
「おはようございます」
独り暮らしが長いせいか、同居人がいる事にまだ慣れずぎこちない挨拶だった。だが、皆は気にする様子も無く、各々が挨拶を返してくれて、妙に心地が良い。
…人がいるっていいな、と考えていると浴室の扉がバタンと開き、中から風呂上がりであろうだるまさんと葛葉さんがパンイチのまま、水滴を飛び散らしながらリビングの方へ走って出てきた。
「葛葉こらぁ！俺はまだ負けてへんぞ！」
「ボスの負けっしょ！だって、俺の方が水鉄砲をよりボスの顔面にぶち当てたし！」
◆ A loving day with you 2 ◆→←◇ A poor night 3 ◇
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
